行政書士試験の教材は、電子書籍と紙のどちらでも使えます。
重要なのは、「紙の方が覚えやすい」「電子の方が便利」と一律に決めることではありません。
どの学習工程で、どちらの形式が使いやすいかを分けて考えます。
読む。
調べる。
書き込む。
見比べる。
問題を解く。
この工程ごとに必要な使い勝手は違います。
教材形式を選ぶときは、端末や紙そのものではなく、自分の学習工程を基準にしてください。
電子書籍か紙かは、学習工程で変わる
電子書籍と紙教材は、どちらか一方が常に優れているわけではありません。
例えば、検索したいときは電子の方が便利な場合があります。
一方で、複数ページを行き来しながら全体を見たい場合は、紙の方が扱いやすいことがあります。
だから、
電子か紙か、どちらが正解か。
という問いだけでは決めきれません。
自分がその教材を何に使うのかを先に決めます。
電子教材が使いやすい工程
キーワードを検索したい
電子教材では、対応している形式ならキーワード検索を使えます。
特定の用語や条文、論点を探すときに便利です。
ただし、検索ですぐ該当部分へ移動できるからといって、その周辺知識まで理解できるとは限りません。
検索は「探す機能」として使い、必要なら前後も確認します。
教材を持ち歩きたい
複数の教材を端末へまとめられる点は、電子形式の利点です。
移動中や外出先でも教材へアクセスしやすくなります。
ただし、持ち歩けることと、実際に学習へ使うことは別です。
「いつでも見られる」だけで終わらず、どの時間帯に何を確認するかまで決めてください。
短時間で確認したい
端末を開いてすぐ確認できるなら、短時間の見直しにも使えます。
特に、すでに学習した範囲の確認には使いやすい場合があります。
紙教材が使いやすい工程
ページを行き来しながら確認したい
複数ページを開き、前後の内容を見比べながら確認したい場合は、紙の方が使いやすい人もいます。
特に、体系を見ながら戻ったり進んだりする学習では、一覧性が判断材料になります。
直接書き込みたい
余白へ短く書き込む、付箋を貼る、マークを残す。
こうした運用を重視するなら、紙教材が扱いやすい場合があります。
ただし、書き込みの量が増えすぎると教材そのものが見づらくなります。
書き込みやすいことと、書き込む量を増やすことは別です。
複数の資料を同時に見たい
テキスト、問題集、六法などを同時に開いて確認する場合、紙の方が切り替えやすいことがあります。
一方、端末を複数使えるなら電子でも対応できます。
ここも形式の優劣ではなく、自分の学習環境で判断します。
端末・検索・書込み・一覧性を比較する
| 確認項目 | 電子教材 | 紙教材 |
|---|---|---|
| 持ち運び | 複数教材をまとめやすい | 冊数が増えると負担になりやすい |
| 検索 | 対応形式ならキーワード検索しやすい | 目次・索引・記憶した位置から探す |
| 書込み | 端末・アプリの機能に左右される | 直接書き込みやすい |
| 一覧性 | 画面サイズに左右される | 複数ページを見比べやすい場合がある |
| 複数教材の切替 | 一台にまとめやすい | 同時に複数冊を開きやすい |
この表だけで結論を出す必要はありません。
自分が最もよく使う学習工程で、どちらが扱いやすいかを確認してください。
紙と電子を両方使うときは、教材を分散させない
紙と電子を併用すること自体は問題ありません。
ただし、同じ役割の教材を複数媒体へ分散させると、復習先が増えます。
例えば、
- 紙の基本テキスト
- 電子の別テキスト
- アプリの解説
- Web上のまとめ記事
を同じ役割で並行すると、どこへ戻ればよいか分かりにくくなります。
媒体を増やしても、主教材は一つに固定してください。
電子は検索用、紙は主教材。
あるいは電子を主教材にして、紙は問題演習用。
このように役割を決めます。
主教材を紙か電子のどちらかへ固定する
基本テキストなど、何度も戻る教材は、主教材として固定した方が復習しやすくなります。
判断するときは、次の点を見てください。
- 長時間読んでも負担が大きすぎないか
- 必要な箇所へ戻りやすいか
- 問題演習から復習へ接続しやすいか
- 書き込みや検索など、自分が必要な機能を使えるか
- 日常的に使う場所で開きやすいか
主教材そのものをまだ決めていない場合は、先に行政書士の基本テキストを選ぶ基準を確認してください。
先に教材を決め、その教材をどの媒体で使うか決める。
この順番でも構いません。
途中で紙と電子を切り替える条件
使い始めた形式が合わないなら、途中で変えても構いません。
ただし、なんとなく使いにくいという理由だけで頻繁に変えると、学習環境そのものが安定しません。
変更を検討するのは、例えば次のような場合です。
- 必要な箇所へ戻るのに時間がかかり続けている
- 画面サイズや端末の操作が学習を妨げている
- 書き込み・検索など必要な機能を使えない
- 持ち運びの負担で教材を開かなくなっている
- 問題演習から復習へ接続しにくい
変更する場合も、主教材そのものまで同時に変える必要はありません。
教材内容の問題と、媒体の問題を分けて判断してください。
紙か電子か迷ったら、教材選び全体へ戻る
紙か電子かは、教材選びの一部です。
そもそも今の学習に教材追加が必要なのか、基本テキスト・模試・記述式問題集・通信講座のどれを検討するのかから迷っているなら、先に教材全体の役割を整理してください。
使う工程を決める → 紙と電子の使いやすさを比べる → 主教材を固定する → 必要なら媒体だけ変更する。
この順番で判断してください。