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記述式の問題集を探している人に、最初に伝えたいことがあります。
問題集は、3冊全部買わなくて大丈夫です。 すでに使っている過去問や講座の教材で答案を書けるなら、まずはその1問を、自力で書いてみてください。模範解答を眺めるだけでは見えなかった課題が、そこで見えてきます。
これから記述式の練習を始めるなら、私が最初に候補に挙げるのは『みんなが欲しかった!行政書士の40字記述式問題集』です。いきなり答えを書こうとして手が止まる人に、問題の読み方から答案までの道筋を学べる構成だからです。
一方、条文や判例を思い出すところから練習したいなら『合格革命』。解き方はつかめてきたけれど、初見問題でも書けるか試したいなら『出る順』。私は、この3冊をそんなふうに使い分けて考えます。
『みんなが欲しかった!』2026年度版の内容・価格を確認する
※本記事は2026年10月16日時点で確認できた2026年度版の出版社・販売元情報を比較しています。2027年受験の方は、後述する年度の注意点も読んでください。商品評価は書籍の公開仕様をもとにした私の編集上の判断です。掲載価格はリンク先で確認をしてください。
行政書士の記述式問題集おすすめ3冊を比較
まずは3冊の違いを、できるだけ簡単に整理します。ページ数や価格だけで決めるより、今どんな練習をしたいかで選んだ方が、買った後に使いやすいと思います。
| タイトル | 主な練習内容 | 向いている人 | タイトル |
みんなが欲しかった!行政書士の40字記述式問題集 | 解法マニュアル、過去問を使った考え方、行政法・民法の演習 | 書き始めるまでの手順を学びたい | 詳細を見る |
合格革命 行政書士 40字記述式・多肢選択式問題集 | 条文・判例の穴埋めによる基礎確認から事例形式の応用演習へ | 知識と答案をつなげたい | 詳細を見る |
出る順行政書士 40字記述式・多肢選択式問題集 | 120問以上のオリジナル問題(記述式・多肢選択式を含む)と解答の手順 | 新しい問題で実践力を試したい | 詳細を見る |
※確認日:2026年10月16日。『出る順』の120問以上は記述式だけの問題数ではなく、記述式・多肢選択式を含むオリジナル問題の案内です。教材の単体価格を掲載しており、基本テキスト等の費用は含みません。
教材を使って違いが出るのは、むしろ解けなかった後です。どこを読み直し、次の1問で何を直せるか。 その使い方まで想像してみてください。
初めて答案を書くなら『みんなが欲しかった!』を第一候補に

行政書士の記述式で困るのは、必ずしも法律用語を知らないときだけではありません。
問題文を読んで、「この制度の話だな」と思う。解説を読むと「そうそう、これだった」と納得できる。でも、答案用紙を前にすると言葉にならない。
そんな状態なら、問題集を増やして数をこなす前に、答案を作る順番そのものから練習してみましょう。
『みんなが欲しかった!』2026年度版には、記述式の解法マニュアルに加えて、過去問を素材にした問題類型別の解き方、行政法・民法の実戦編が用意されています。出版社の説明では、問題を見てから答えを完成させるまでの考え方を追い、解答に必要なキーワードも示す構成です。解答用紙も付属し、繰り返し書く練習ができます。
私が第一候補にするのは、ここです。模範解答を覚えるのではなく、「なぜその言葉を答案に入れるのか」を確かめやすいと考えるからです。
ただ、すでに自分で論点を拾い、短い答案にまとめられる人なら、解法説明は重複するかもしれません。その段階なら、今の問題集を解き直すか、新しい問題で手順を試す方がよい場合もあります。
知識が出てこないなら『合格革命』から考える

「書き方が悪いのか、そもそも知識が足りないのか分からない」。こういう迷いもあります。
そこで候補になるのが『合格革命 行政書士 40字記述式・多肢選択式問題集』です。2026年度版は基礎編と応用編の2段階。基礎編では条文・判例の穴埋めを使って知識を確認し、応用編では事例形式のオリジナル問題に取り組みます。多肢選択式にも対応しています。
たとえば基礎編で必要な言葉が浮かばなければ、基本テキストへ戻って確認する。基礎編は答えられるのに事例問題になると止まるなら、今度は問題文の読み取りや答案作成を見直す。この往復ができる点に、私は価値を感じます。
記述式の勉強というと、いきなり40字の文章を書くことに意識が向きます。でも、書く材料があいまいなままでは苦しい。材料を確認してから使うという順番を取りたい人に合う本です。
逆に、条文や判例の知識確認は十分できていて、文章を組み立てる練習だけに集中したい人は、『みんなが欲しかった!』の解法説明と比べてみてください。
ある程度書けるなら『出る順』で初見問題を増やす

手持ちの記述式問題集を何度も解いていると、問題を読んだ時点で模範解答の言い回しを思い出してしまうことがあります。
その状態で正解を書けても、初めて見る問題で同じように考えられるとは限りません。そんなときに候補になるのが『出る順行政書士 40字記述式・多肢選択式問題集』です。
2026年版は、記述式と多肢選択式を合わせて120問以上のオリジナル問題を収録。LECは、記述式の解き方として、問題の所在を見つける、適用する法令・制度を考える、事例へ当てはめる、指定字数で表現する、という流れを案内しています。解説にはヒントがあり、同シリーズの『合格基本書』への参照ページも示されています。
そのため、ただ問題数が多い本というより、いつもの考え方を別の事例でも再現できるかを試す教材として捉えています。
もっとも、記述式の練習を始めたばかりなら、120問以上という数字に引っ張られる必要はありません。本番までの時間が限られるなら、全部を終わらせることより、できなかった問題を一つでも修正しておく方を優先したいところです。
買う前に、手元の教材と受験年度を確認する

すでに1冊あるなら、今日は買わずに1問書いてみる
通信講座の演習教材、過去問、いま使っている記述式問題集。どれかに問題と解説があるなら、まずそこから1問選んでください。
解答を隠して書き、解説と比べる。ここで次のどれに近いか見ます。
- 問いの意味は分かるが、文章の組み立てで止まる。 解法の流れが丁寧な本を候補にする。
- 条文や判例の言葉自体が出てこない。 まず基本テキストに戻る。知識確認と答案練習を一緒にしたいなら『合格革命』を検討する。
- いつもの問題なら書ける。 他の事例でも通用するか試す。手持ちの未着手問題がなければ『出る順』も候補になる。
- いまの教材で練習も復習もできている。 買い足さず、今の1冊を続ける。
ここで「新しい問題集が必要」と決まらなければ、何も買わなくていいんです。教材が一冊増えても、答案を書く時間が増えるわけではありません。
テキストや問題集全体の組み合わせが心配なら、行政書士教材の選び方総合案内も参考にしてください。ただし、このページを読まないと購入を決められないわけではありません。
2026年受験と2027年受験では、買い方が違う
2026年に受験する方へ。 令和8年度の行政書士試験は11月8日(日)です。直前期に新しい問題集を買うなら、これから何問書けて、どの問題を復習できるかまで考えて選びましょう。買って終わり、になりやすい時期だからです。
今までの答案で抜けがちな要素が分かっているなら、そこを復習するだけでも大切な練習になります。新しく買った1冊を最初から最後まで仕上げることを、誰にでも勧めるつもりはありません。
2027年の受験を目指す方へ。 この比較表は2026年度版の仕様です。確認時点で、比較した3商品の2027年向け専用版については、正式な商品仕様と発売時期を十分に確認できていません。購入前には出版社・販売元の最新情報を見て、対象年度を合わせてください。
新年度版を待つ間も、手元の基本テキストや過去問で「問いを読む→必要な要素を出す→書いてみる」という練習はできます。ただし、法改正に関わる記述内容は次年度の教材や公式情報で更新が必要です。2027年を受けるから2026年度版を今すぐ買うべき、とは考えていません。
選んだ問題集は、まず1問だけ答案を書いて使う
新しい本が届くと、最初から何十問も進めたくなるかもしれません。でも初日は、1問で十分です。問題集が自分の役に立つかどうかは、解説を読んだだけでは分かりません。
私なら、最初の1問をこう使います。
- 問題文を読む。 誰に、何を、どのように答えさせる問題なのかを一言で整理する。
- 答案の材料を出す。 関係する制度や要件、結論などを短くメモする。
- 解説を見る前に書く。 きれいな文章にしようとしすぎず、指定字数を意識して一度形にする。
- 模範解答と比べる。 一字一句の一致だけでなく、必要な要素が抜けていないかを見る。
- 不足したところへ戻る。 知識が曖昧なら基本テキスト。問いを読み違えたなら問題文。文章にできなかったなら構成を見直す。
- 日を空けてもう一度書く。 解説を見た直後だけ書ける状態から抜け出せたか確かめる。
ここで使う模範解答・解説は、購入した教材のものです。記事で示すチェック手順は学習上の目安であり、本試験の公式採点基準ではありません。
書けなかった日は、原因を一つだけ残す
何を書けばよいか分からなかった。条文の要件を落とした。長くなりすぎて収まらなかった。
全部を「記述式が苦手」で片付けない方が、次の練習が楽になります。たとえば「要件を一つ落とした」と分かれば、次は文章を書く前に要件をメモすればいい。
記述式で書けない原因をもっと詳しく整理したい場合は、知識を答案に変える練習方法で解説しています。また、間違えた問題から基本テキストに戻る勉強法も、復習の考え方を補う記事です。
記述式問題集を選ぶときのよくある質問

基本テキストと同じシリーズにそろえた方がいい?
そろえること自体が目的ではありません。ただ、『出る順』のように同じシリーズの基本書への参照ページが示される教材は、復習の戻り先を探すうえで便利です。書き方の説明が欲しいのか、知識の確認が欲しいのかを先に考えて選んでください。
もう1冊持っているけれど、2冊目を買った方がいい?
まず、その1冊でまだ書いていない問題が残っていないか見てください。書けなかった問題の解説を読んだだけなら、買い替えの前に解き直したいですね。初見問題が不足している、解法説明がどうしても必要など、役割がはっきりしたときだけ追加を考えれば十分です。
試験が近い場合、問題集を全問終わらせる必要はある?
ありません。限られた期間なら、苦手な論点を選んで答案を書き、解説を読み、もう一度書けるかを確認する方が現実的です。全問を終えたかどうかより、次の1問で同じ失敗を減らせるかを見てください。
まとめ|1冊選ぶより先に、1問書いてみよう
最初の1冊をこれから選ぶ人には、『みんなが欲しかった!』を推します。知識確認も合わせて必要なら『合格革命』、新しい問題で練習したいなら『出る順』。3冊の使い分けは、それで十分です。
そして、すでに使える教材を持っているなら、今日は何も買わなくて構いません。
買うかどうかは、答案を1問書いてから決めても遅くありません。 書けなかった理由が分かれば、今の本を使うのか、新しい1冊を足すのかも、ずっと決めやすくなります。