行政書士試験の五肢択一問題は、正解番号だけ確認して終わらせないでください。
例えば、5つの選択肢のうち3番が正解だったとします。
そこで、
3番が正解だった。
だけ確認して次へ進むと、復習としては弱いです。
本当に確認したいのは、
- なぜ3番が正しいのか
- 1番・2番・4番・5番はなぜ誤りなのか
- 誤りの選択肢は、どこを直せば正しくなるのか
- 自分は知識不足で間違えたのか、条件を読み落としたのか
です。
このブログでは、五肢択一を次の順番で復習します。
- 問題全体で何を聞かれているか確認する
- 各選択肢の正誤を判断する
- 判断根拠を一言で説明する
- 誤りなら、どこを直せば正しくなるか確認する
- 必要な選択肢だけ基本テキストへ戻る
五肢択一の復習は、5つの文章を覚える作業ではありません。
自分がどの条件で判断を誤るのかを見つける作業です。
そもそも、なぜ同じ過去問を何度も使うのか分からない場合は、先に行政書士試験で過去問を繰り返す理由|正解を覚える反復との違いを確認してください。
五肢択一は、正解番号だけ確認しても復習にならない
五肢択一では、最終的には一つの正解肢を選びます。
しかし、学習では正解肢だけを見ません。
他の選択肢にも、
- 別の条文知識
- 似た制度との違い
- 原則と例外
- 主体や時点の違い
が入っています。
正解肢だけ覚えると、問題番号と答えの組み合わせを覚える反復になりやすくなります。
そこで、一問解いたら、正解した問題でも各選択肢を確認します。
ただし、5つすべてを毎回同じ深さで調べる必要はありません。
すでに根拠まで安定して説明できる選択肢は、短く確認して終わります。
迷った選択肢、間違えた選択肢、根拠を説明できない選択肢だけ深く復習してください。
最初に、一問全体で何を聞かれているか確認する
各選択肢を見る前に、まず問題全体の条件を確認します。
最低限、次を見てください。
- 正しいものを選ぶのか、誤っているものを選ぶのか
- 条文知識なのか、判例なのか、事例問題なのか
- 誰について聞いているのか
- どの時点について聞いているのか
- 原則なのか、例外なのか
知識を覚えていても、ここを読み違えると間違えます。
例えば、知識不足だと思ってテキストへ戻ったのに、実際には「誤っているものを選べ」という指示を読み落としていただけ、ということもあります。
だから、誤答を全部「暗記不足」で処理しないでください。
各選択肢は4段階で復習する
一問全体の条件を確認したら、各選択肢を4段階で見ます。
1.正しいか、誤りか判断する
まず、自分で正誤を判断します。
解説を見る前に考えてください。
答えを覚えてしまっている問題でも構いません。
その場合は、正解番号ではなく、各選択肢について○か×かを判断します。
2.根拠を一言で説明する
正誤を決めたら、なぜそう判断したのか説明します。
長い説明は不要です。
主体が違う。
この要件が必要。
これは原則ではなく例外。
程度で構いません。
ここが言えないなら、正解していても復習対象です。
3.誤りなら、どこを直せば正しくなるか確認する
誤りの選択肢は、「×」だけで終わらせません。
どの部分が誤っているのかを特定します。
例えば、
AではなくBなら正しい。
「必ず」ではなく「原則として」なら正しい。
この要件が追加されれば正しい。
という形です。
誤りの場所を直せるか確認すると、正解番号ではなく制度の違いを覚えられます。
4.テキストへ戻る必要があるか決める
最後に、基本テキストへ戻る必要があるか判断します。
次の状態なら戻ってください。
- そもそも知識を知らなかった
- 根拠を説明できない
- 似た制度を繰り返し混同する
- 原則と例外を整理できていない
逆に、単純な読み落としなら、テキスト全体を読み直す必要はありません。
問題文の条件を確認して、もう一度選択肢へ戻ります。
間違いを4種類に分ける
五肢択一の復習では、「なぜ間違えたか」を分けてください。
このブログでは、まず4種類で考えます。
知識を知らなかった
条文、判例、制度そのものを知らなかったケースです。
これは基本テキストへ戻ります。
ただし、問題に関係する箇所だけで構いません。
一問間違えたから、その章を最初から全部読み直す必要はありません。
問題文の条件を読み落とした
知識はあったのに、主体・時点・原則・例外などを読み落としたケースです。
この場合、知識を増やすだけでは改善しません。
どの条件を読み落としたのか記録してください。
次回、その条件を見ることが修正になります。
似た制度を取り違えた
A制度とB制度を混同したケースです。
この場合は、一方だけを暗記し直しません。
二つを並べて、
- 主体
- 要件
- 効果
- 手続
など、違う部分を確認します。
原則と例外を逆にした
行政書士試験では、原則と例外を取り違えて間違えることがあります。
この場合は、例外だけ単独で覚えません。
「原則は何か」「どの条件で例外になるか」をセットで確認してください。
誤答原因を分けると、テキストへ戻るべき問題と、読み方を直すべき問題を区別できます。
基本テキストへ戻る範囲は限定する
過去問を間違えたらテキストへ戻る。
これは必要です。
ただし、戻り方を間違えると問題演習が止まります。
一問間違える。
その章を最初から読む。
関連項目まで読む。
さらに知らない論点が出てくる。
これを毎問やる必要はありません。
基本テキストへ戻るときは、
- 間違えた選択肢の論点を特定する
- 該当箇所だけ確認する
- 必要なら周辺の比較対象だけ確認する
- もう一度選択肢へ戻る
この順番にしてください。
テキストへ戻る目的は、勉強をやり直すことではなく、選択肢を判断できる状態へ戻すことです。
基本テキストの役割そのものについては、行政書士の基本テキストをどう選ぶ?|主教材を固定するための比較基準も参考にしてください。
答えを覚えた問題ほど、選択肢単位で復習する
過去問を何周かすると、問題を見た瞬間に答えが分かるようになります。
この段階で、
「もうこの問題は意味がない」
と捨てる必要はありません。
確認対象を正解番号から選択肢へ変えます。
例えば、答えが3番だと覚えていても、
- 1番はなぜ誤りか
- 2番はどこを直せば正しいか
- 3番の根拠は何か
- 4番はどの制度と混同しやすいか
- 5番は原則と例外のどちらか
を確認できます。
正解番号を覚えた後からが、選択肢単位の復習です。
過去問反復そのものの目的は、過去問を繰り返す理由の記事へ戻ると確認できます。
細かい選択肢で止まり続けない
五肢択一を丁寧に復習すると、一つの選択肢がどうしても理解できないことがあります。
そのとき、一問に長時間固執しないでください。
次の状態なら、一度保留します。
- 解説と基本テキストを読んでも根拠が分からない
- 一つの選択肢だけで演習全体が止まっている
- 現在の学習段階では細かすぎる論点
- 関連単元を学んだ後の方が理解しやすい
保留したら、再確認条件を残します。
次の周回で確認。
関連単元終了後に戻る。
これで構いません。
分からない選択肢を放置するのではなく、今は処理しないと決めて先へ進みます。
問題を継続・保留・終了へ分ける基準は、行政書士試験の過去問は何回転?|回数ではなく終了条件で判断するで整理しています。
一論点が分からず全体を止めている場合は、Case011|一論点に固執して全体を止めるケースも確認してください。
「全部覚えてから解く」はやめる
五肢択一を解く前に、テキストを完璧に覚える必要はありません。
基本事項へ一度触れたら、問題を解いてください。
間違えたら、必要な箇所へ戻ります。
そして、もう一度問題へ戻ります。
テキスト → 問題 → テキスト → 問題
と往復します。
暗記が完成するまで過去問を止めている場合は、Case010|全部覚えてから進もうとして反復できないケースへ進んでください。
完璧に理解するまで問題を解けない場合は、Case017|完璧に理解するまで過去問へ進めないケースを確認してください。
一問の復習はこの手順で終える
ここまでを、一問の復習手順にまとめます。
- まず自力で問題を解く
- 問題全体の条件を確認する
- 各選択肢の正誤を判断する
- 根拠を一言で説明する
- 誤りなら、どこを直せば正しいか確認する
- 間違いを「知識・条件・比較・原則例外」に分ける
- 必要な選択肢だけテキストへ戻る
- 選択肢へ戻ってもう一度判断する
- 難しすぎる論点は保留して先へ進む
毎問すべてを長時間かけて行う必要はありません。
すでに説明できる選択肢は短く終えます。
間違えた場所だけ深く確認してください。
五肢択一の復習についてよくある質問
5つの選択肢を全部調べるべきですか?
毎回すべてを同じ深さで調べる必要はありません。
正誤と根拠を安定して説明できる選択肢は短く確認し、迷った肢・間違えた肢だけ深く復習してください。
正解した問題も復習した方がいいですか?
根拠を説明できるか確認してください。
説明できないなら、正解していても復習対象です。
間違えたらテキストを最初から読み直すべきですか?
必要ありません。
誤った選択肢の根拠箇所を中心に戻り、必要な周辺論点だけ確認してください。
答えを覚えてしまった問題はどうすればいいですか?
正解番号ではなく、5つの選択肢それぞれの正誤根拠を確認してください。
誤りの肢を正しい文章へ直せるかまで確認します。
分からない選択肢があるときはどうしますか?
解説と基本テキストを確認しても分からず、一問で長時間止まるなら一度保留してください。
再確認する条件を残して、全体の問題演習を続けます。
まとめ|五つの肢を、正誤ではなく判断根拠で復習する
行政書士試験の五肢択一問題は、正解番号を確認するだけで終わらせないでください。
一問解いたら、次の順番で確認します。
- 問題全体の条件を読む
- 各選択肢の正誤を判断する
- 判断根拠を一言で説明する
- 誤りなら、どこを直せば正しいか確認する
- 誤答を知識・条件・比較・原則例外に分ける
- 必要な箇所だけ基本テキストへ戻る
- 選択肢へ戻って判断し直す
そして、理解できない細かい選択肢に長時間止まり続けないでください。
必要なら保留し、全体の反復を続けます。
五肢択一の復習は、選択肢を全部覚える作業ではありません。
自分が「知識」「条件」「比較」「原則と例外」のどこで判断を間違えるかを観測し、次の一周で直す作業です。
これを繰り返してください。
その問題をいつ反復対象から外すかは、過去問の継続・保留・終了条件で判断します。