
行政書士試験に合格したときは嬉しくて祝杯をあげました。

2月に届く合格証を心待ちにしていました。「これでやっと独立開業ができる」「合格証には開業の手引きが入っているんだろうな」そんな期待でいっぱいでした。でも、待ちわびた合格証の中身は、紙切れ2枚。A3用紙の送り状と全国の行政書士会支部のリスト、A4用紙の合格証だけ。

「え?書類2枚だけ?」「事務所開業の手引きとかないの?」「実務マニュアルとかあると思った」
すでに行政書士の洗礼を受けたのです。「やってやろうじゃないか」と意気込んで事務所開業までこぎつけます。6ヶ月で廃業寸前に陥ることも知らずに…。「行政書士として独立したけど、半年で廃業寸前…」これは、私が開業直後に直面した現実です。「え?行政書士試験に合格したら、仕事は自然に入ってくるんじゃないの?」そう思っていた私は、まさに“甘い考え”でした。
今ならわかります。行政書士として成功するには 「準備が9割」 だったんです。私は起死回生の一手を打って、事業を軌道に乗せて命拾いしました。なぜ、開業したのに廃業寸前まで陥ったのか。開業に必要な準備があることを知らなかったからです。「開業すれば何とかなるだろう」という甘い考えが、私を資金不足という絶望へと叩き落したのです。
今でもこの教材がなかったらと思うとゾッとします。

私の失敗経験をもとに、今ならどういった手順で開業して、勝ち戦にもっていくかを話します。行政書士会が定めた開業手順も合わせて、未経験でも開業してプロを目指しましょう。
行政書士業務獲得までの道筋を逆算で考える
行政書士で開業するあなたの目標は何でしょうか。「えっと・・・」と、言葉に詰まってはいけません。「稼げない」「食えない」行政書士まっしぐらです。開業当初に立てるべき目標は「1つでも業務を獲得する」ことです。
業務を獲得するためには開業前から準備することが多くあります。
- 行政書士会支部に開業登録申請する書類の準備
- 行政書士事務所開業前からの情報収集
- ホームページの開設準備から公開のタイミング
- 自分の行政書士事務所が認知されるための営業方法]
- 他士業との業務範囲を理解する
- 役所から申請書類や手引書を入手する
- 相談者が来たときの対応方法
簡単に7つ例を上げましたが、この7つの中に考えていなかったものはありますか。もし、あるなら、なぜ必要なのかを考えましょう。業務獲得という目標達成から、現時点で、あなたが何をしなければいけないのか。大枠をとらえて、詳細を逆算で考えて段階を踏んで行動しなければ、今から行政書士事務所を開業して稼ぐことはできません。
行政書士は個人事業主であり経営者|会社員思考を捨てよう
「え、そうなの?行政書士会から仕事がもらえると思っていた」
これが稼げない思考の典型パターンです。誰かから仕事をもらう、誰かのやり方についていく、会社員思考です。これからは自分でやる必要があります。行政書士は個人事業主です。自分が経営者になるんだという自覚を持ってください。
【開業ロードマップ】失敗しないための5つのステップ
ステップ1:行政書士会への開業登録
開業登録に必要な準備を2つに分けて説明します。
▼今すぐ準備すべきもの▼
- 行政書士登録申請書
- 履歴書
- 資格を有する書面(合格証)
- 事務所の位置図、平面図
- 表札(郵便受けに貼るため必須)
▼あとからでも準備OK▼
- 来客用の机とイス
- 本棚
- 鍵付きキャビネット
「何を準備するべきか?」が明確になると、行動が進みやすくなります。
ステップ2:情報収集で「地域ニーズ」を知る
行政書士として成功するためには、情報収集が欠かせません。
- 役所へ行って手引き書やマニュアルをもらう
- 他士業の方へ「地域でよくある相談」を尋ねる
- 近所の方に「この地域で困っていること」を聞く
「何を聞けばいいかわからない…」と悩んでいるなら、
「この地域で困っている人はどんな方が多いですか?」
「最近、行政書士に依頼が増えている業務はありますか?」
と質問してみてください。意外なヒントがもらえるかもしれません。
ステップ3:名刺とホームページの活用
地域ニーズがわかると、おのずと自分の専門分野も固まってきます。行政書士としての「顔」となる名刺やホームページ。これらの準備に全問分野を盛り込むことをおすすめします。
- 名刺は、目を引く工夫や話のきっかけになるデザインが効果的
- ホームページは、開業当初は簡素でもOK。内容は後から作り込めます。
- 自分の専門分野を伝えられるようにしておく
開業1ヶ月前には、ホームページと名刺を用意しましょう。「行政書士って何ができるの?」と思っている人がほとんどです。中には司法書士と思っている人も…。あらゆる分野の書類を扱える行政書士だからこそ、「私は〇〇ができます!」と宣言することで、頼みやすくなります。
ステップ3:最初の業務獲得のための行動
「開業したのに、どうやって最初の仕事を取ればいいかわからない…」という不安を解消するには、次の行動が効果的です。
- 地域の無料相談会に参加して、自分の存在を知ってもらう
- 地元の士業交流会に顔尾を出し、他士業とのつながりを作る
- 自分の人脈を使って、何ができる人なのかを知ってもらう
最初の1件が取れると、口コミや紹介につながりやすくなります。
ステップ5:経営者マインドを持つ
「え、行政書士会から仕事がもらえると思っていた…」これが稼げない思考の典型パターンです。行政書士は個人事業主であり、あなた自身が経営者です。「待っていても仕事はこない」という意識を持ち、積極的に動きましょう。
行政書士で成功するには準備が9割!
「失敗しないためには、準備が9割」
『これさえやればOK!』という魔法の方法はありませんが、地道に準備を進めれば、あなたも必ず成功できます。私がそうだったように、あなたにもできるんです。行政書士としての新しい一歩を踏み出しましょう!
まずは次の2つの行動をしてください。
- 合格後2週間以内に、登録申請書を提出する
- 地域の役所や他士業の方々に相談して情報収集を始める
「1年前の私に教えてあげたい…。」開業準備がしっかりできていたら、あんなに苦しまずにすんだのに…。あなたは同じ道を歩まなくて大丈夫。今から準備を始めれば、1年後には「やってよかった!」と胸を張れる行政書士になれますよ。
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