特定行政書士の役割とメリットとは?資格取得から業務範囲まで徹底解説

<景品表示法に基づく表記>当サイトではコンテンツに商品プロモーションを含む場合があります。

日々の仕事に追われる中で、将来のキャリアに不安を感じている人は多くいます。仕事を続けながら資格を取得するのは、大きな課題です。この記事では、特定行政書士の資格取得がキャリアアップにどれほど貢献するかを詳しく解説します。

記事を読めば、特定行政書士について理解が深まり、キャリア形成を考える際に役立ちます。特定行政書士の資格を取得すると、仕事の幅が広がり、より充実したキャリアを築くことが可能です。

特定行政書士とは行政不服申し立てを代理できる行政書士

specified administrative scrivener 2 - 特定行政書士の役割とメリットとは?資格取得から業務範囲まで徹底解説

特定行政書士に関連する以下のポイントについて解説します。

  • 特定行政書士が誕生した背景
  • 行政書士と特定行政書士の違い

» 行政書士になるための3つのルートを詳しく解説!

特定行政書士が誕生した背景

特定行政書士は、行政手続の複雑化と専門化に対応するために誕生しました。行政不服審査制度の改革や、業務範囲拡大への要望が背景にあります。行政と国民の橋渡し役として、機能の強化が求められました。2014年の法改正で特定行政書士制度が創設され、行政不服申立ての代理権が付与されています

特定行政書士の誕生によって、行政書士の業務範囲が広がり、国民の権利擁護と行政の適正化に貢献しました。高度な知識と技能をもつ行政書士が増えると、より適切な支援の提供が可能です。

行政書士と特定行政書士の違い

行政書士と特定行政書士の違いは、業務範囲と権限にあります。行政書士は許認可申請や各種届出、契約書作成などの一般的な行政手続の代理や相談に対応します。特定行政書士は、行政不服申立ての手続代理権をもつ点が特徴です。審査請求や再調査請求、再審査請求などの手続きに対応します。
» 行政書士試験の概要から勉強法、キャリアパスまで徹底解説

特定行政書士は、行政処分に不服がある場合に専門知識を生かして支援します。特定行政書士になるには、行政書士資格を取得した後、追加の研修と試験が必要です。

特定行政書士が行う不服申し立て手続き

specified administrative scrivener 3 - 特定行政書士の役割とメリットとは?資格取得から業務範囲まで徹底解説

特定行政書士による以下の不服申し立て手続きについて、詳しく解説します。

  • 審査請求
  • 再調査請求
  • 再審査請求

審査請求

審査請求は、行政処分に不服がある場合の救済手段として重要です。処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内に請求でき、処分庁の上級行政庁に書面で提出する必要があります。審査請求書には必要事項を記載し、提出後は審理員による審理があります。口頭意見陳述や証拠書類の提出が可能です。

場合によっては、行政不服審査会への諮問が必要になります。裁決で請求が認められれば、処分が取り消しまたは変更されます。不服がある場合は、訴訟の提起が可能です。特定行政書士は手続きを代理できるため、専門的なサポートが受けられます。

再調査請求

specified administrative scrivener 4 - 特定行政書士の役割とメリットとは?資格取得から業務範囲まで徹底解説

再調査請求は、行政処分に不服がある場合の不服申立ての一種です。審査請求の前段階として、処分をした行政庁が自ら見直します。審査請求よりも簡易かつ迅速な手続きで、処分から3か月を過ぎても決定がない場合、審査請求ができます。しかし、再調査の請求をするには2つの要件を満たしている必要があります。

  • 審査請求ができること
  • 法律に再調査請求できる旨があること

この再調査の請求は、例外的に再調査の請求の決定が下りていなくても審査請求ができることが多く、手続きが複雑であることが難点です。

再審査請求

再審査請求は、審査請求に対する裁決に不服がある場合の手続きです。法律に再審査請求をするこができる旨の定めがあることが条件です。主に社会保険や労働保険の分野で利用されます。有名な事例は生活保護法です。再審査請求の流れは、以下のとおりです。

  • 審査請求の裁決を受理する
  • 裁決内容に不服がある
  • 法律に定める行政庁に対して請求する

再審査請求の有名な事例は生活保護法です。審査請求先は都道府県、再審査請求先は厚生労働大臣と定められています。請求時には、再審査請求書を提出し、不服の理由や具体的な主張、証拠書類を記載してください。審理では、口頭で意見を述べる機会が与えられる場合もあります。

特定行政書士が対応する事例

specified administrative scrivener 5 - 特定行政書士の役割とメリットとは?資格取得から業務範囲まで徹底解説

特定行政書士が対応する事例について、以下のケースを紹介します。

  • 難民不認定のケース
  • 建設業許可申請の不許可例
  • 産業廃棄物処理施設の設置許可の不許可例

難民不認定のケース

難民不認定のケースは、特定行政書士が対応する代表的な事例の一つです。具体的な証拠や説得力のある説明の不足が、不認定となる理由として挙げられます。難民認定が不認定となる主な理由は、以下のとおりです。

  • 申請者が迫害の恐れを十分に立証できない
  • 出身国の状況が改善されたと判断された
  • 経済的理由による移住と判断された
  • 申請者の供述に矛盾がある
  • 偽造文書の使用や虚偽の陳述が判明した
  • 申請期限を過ぎて提出された
  • 本国での犯罪歴や国家安全保障上の問題がある

特定行政書士は不認定ケースにおいて、申請者の代理人として不服申し立てをします。専門知識と経験を生かし、申請者の権利を守るために対応する役割を担います。

建設業許可申請の不許可例

specified administrative scrivener 6 - 特定行政書士の役割とメリットとは?資格取得から業務範囲まで徹底解説

建設業許可申請が不許可となる主な理由は、以下のとおりです。

  • 経営業務管理責任者の実務経験が不足している
  • 財産的基礎(自己資本)が不足している
  • 技術者の資格や実務経験が要件を満たしていない
  • 欠格事由に該当している
  • 申請書類に虚偽の記載や重大な誤りがある

注意が必要なのは、経営業務管理責任者と技術者に関する要件です。経営業務管理責任者には、建設業に関する一定期間の実務経験が求められ、技術者も必要な資格や実務経験を厳しく審査されます。財産的基礎が不十分だと、事業の継続性に疑問をもたれ、不許可の可能性が高まります。申請書類の作成にも細心の注意が必要です。

虚偽の記載や重大な誤りがあると、不許可になるだけでなく、法的問題に発展する恐れもあります。適切な準備を整えれば、許可取得の成功率を高められます。

産業廃棄物処理施設の設置許可の不許可例

産業廃棄物処理施設の設置許可が不許可となるのは、周辺環境への悪影響が懸念されるためです。以下の要因に該当すると、不許可となる可能性があります。

  • 申請書類に不備や虚偽記載が含まれる
  • 技術的能力や経理的基礎が不足している
  • 施設の構造や維持管理計画が適切でない
  • 関係法令や条例に違反している
  • 地域住民の同意を得られていない
  • 立地が不適切である(住宅地に近いなど)
  • 過去に法令違反を犯した事業者が申請している
  • 処理能力が需要予測と著しく乖離している
  • 周辺施設の状況から、新規設置の必要がないと判断されている

許可取得には、十分な事前準備が必要です。特定行政書士は、不許可となった場合の不服申し立てをサポートできます。

特定行政書士になるメリット

4 - 特定行政書士の役割とメリットとは?資格取得から業務範囲まで徹底解説

特定行政書士になることで得られるメリットは、以下のとおりです。

  • 業務の幅が広がる
  • 収入がアップする
  • 社会的な信頼度が上がる

業務の幅が広がる

行政書士として業務の幅を広げることは、キャリアアップのチャンスです。特定行政書士になると、行政不服申立ての代理業務が可能となり、より多様なサービスを提供できます。行政手続法や行政不服審査法に関する業務に対応でき、行政機関との交渉や複雑な案件も扱えます

行政争訟分野で新たな顧客層を開拓でき、他の行政書士との差別化が可能です。行政法全般への理解が深まれば、公的機関からの信頼も得やすくなります。弁護士との連携機会が増え、専門性の高い業務に携わることも可能です。特定行政書士になると業務の幅が広がり、キャリアアップにつながります。

収入がアップする

specified administrative scrivener 7 - 特定行政書士の役割とメリットとは?資格取得から業務範囲まで徹底解説

行政書士が収入を増やす方法は多岐にわたります。行政不服申し立て業務を扱えるようになれば、新たな収入源の確保が可能です。高度な専門性を生かせば、高額な報酬を得る機会も増えます。既存の業務と組み合わせた総合的なサービスの提供や、特定行政書士としての知名度向上により顧客獲得が期待できます。

複雑な案件を扱えば単価が上がり、他の行政書士との差別化も可能です。行政機関との交渉力が高まれば、成功報酬を得る機会も増えます。専門分野での講演や執筆活動を通じて、副収入を得ることも可能です。特定行政書士のネットワークを活用すれば、案件紹介による収入の拡大も期待できます。

長期的には、顧客との信頼関係を築き、安定した収入基盤を確立できます。

社会的な信頼度が上がる

行政書士として社会的信頼度が上がれば、キャリアアップが可能です。専門性が認められるとクライアントの信頼を得やすくなり、行政手続きの専門家として認識されます。社会的信頼度が向上すると、行政機関との交渉で発言力が増し、他の専門家からも認められる存在になります。

メディアや講演会での露出が増え、地域社会での認知度の向上が可能です。信頼度の向上は、キャリアアップにつながる重要な要素です。

特定行政書士になるための資格取得方法

specified administrative scrivener 8 - 特定行政書士の役割とメリットとは?資格取得から業務範囲まで徹底解説

特定行政書士になるためには、以下の流れで進めましょう。

  1. 特定行政書士法定研修
  2. 考査(試験)の内容と対策
  3. 登録手続きの流れ

特定行政書士法定研修

特定行政書士になるには、法定研修の受講が必要です。実務経験年数は必要ないため、1年目行政書士でも取得できます。研修は行政書士会が実施し、18時間の学習時間が設けられています。主に行政不服審査法や行政事件訴訟法の論点などを学びます。受講方法は、eラーニングと集合研修の2つです。eラーニングは自宅で受講でき、自分のペースで学習が可能です。

集合研修は各都道府県の行政書士会で実施され、講師や受講生と直接やり取りができます。研修費用は約8万円で、毎年1回、5月頃から開始されます。研修修了後に考査(試験)があり、両方の合格が必須です。法定研修は、特定行政書士を目指すうえで欠かせません。

働きながら資格取得を目指すなら、eラーニングを活用すると効率的に学習できます

考査(試験)の内容と対策

specified administrative scrivener 9 - 特定行政書士の役割とメリットとは?資格取得から業務範囲まで徹底解説

行政書士試験の考査は、行政法や関連法規の理解度を測る重要な試験です。合格には、幅広い知識と実践的な解答力が求められます。出題範囲は、行政不服審査法や行政手続法、行政事件訴訟法、特定行政書士の基本倫理などです。対策として、過去問題の分析と解答練習に加え、時事問題への対応力を養いましょう。合格ラインは正答率60%です。

法令の適用と解釈の訓練や事例問題への取り組み、論述力の向上にも力を入れると効果的です。過去問題を活用すれば、出題傾向や難易度を把握し、試験形式にも慣れます。時間配分の戦略を立て、模擬試験で実践力を高めましょう。専門用語の理解を深め、関連判例を学ぶと、より実践的な解答が可能です。

答案作成の技術を磨くと、高得点につながります。働きながらの勉強は大変ですが、計画的に進めれば、合格も十分に可能です。

登録手続きの流れ

特定行政書士になるための登録手続きは、以下の6ステップで進めてください。

  1. 申請書を提出する
  2. 登録料を納付する
  3. 審査を受ける
  4. 名簿に登録される
  5. 登録証を受け取る
  6. 登録完了を報告する

所属する行政書士会に登録完了を報告すれば、手続きは完了です。

特定行政書士に関するよくある質問

specified administrative scrivener 10 - 特定行政書士の役割とメリットとは?資格取得から業務範囲まで徹底解説

特定行政書士に関するよくある質問を以下にまとめたので参考にしてください。

  1. 特定行政書士になるために必要な費用は?
  2. 試験に落ちたときの対処法は?
  3. 特定行政書士の需要はどれくらいある?

特定行政書士になるために必要な費用は?

特定行政書士になるための費用は、8万円でテキスト代が含まれています。研修会場の場所によっては、交通費や宿泊費の負担が生じる場合があります。

将来的な投資として考えられる価値のある費用です。特定行政書士になれば、業務の幅が広がり収入増も期待できます

試験に落ちたときの対処法は?

specified administrative scrivener 11 - 特定行政書士の役割とメリットとは?資格取得から業務範囲まで徹底解説

試験に落ちた場合は、落胆せず前向きな姿勢を保ちましょう。不合格の原因を冷静に振り返り、学習計画を修正すると、次の試験に向けた対策を強化できます。苦手分野を重点的に復習し、模擬試験や過去問題を活用すると効果的です。研修受講を含め3年間は再受講制度を利用できるため、受講料の負担も抑えられます。

勉強時間や学習方法を見直すほか、合格者や専門家からのアドバイスも有効です。次回の試験に向けたスケジュールを立て、モチベーションを保つ工夫をしましょう。状況に応じて講座や教材を見直し、別の視点から学習を進める方法も効果的です。

失敗を成長の機会ととらえ、焦らず準備を進めると、次の試験での合格につながります。

特定行政書士の需要はどれくらいある?

特定行政書士の需要は、着実に増加しています。行政不服申立ての件数が年々増えており、2019年度の審査請求件数は約4万件に上りました。審査請求の約8割は地方公共団体に対するもので、分野別では社会保障関係が最多です。建設・環境・まちづくりに関する案件も一定数あります。

行政手続きの複雑化により、中小企業や個人事業主からの依頼が増え、専門家のニーズも高まっている状況です。地方創生や規制緩和により、新たな分野での需要も見込まれます。特定行政書士の認知度が向上すれば、今後一層、依頼が増える可能性があります。専門性を高めれば、行政書士として活躍の場を広げることが可能です。

特定行政書士は業務幅を広げる手段

specified administrative scrivener 12 - 特定行政書士の役割とメリットとは?資格取得から業務範囲まで徹底解説

特定行政書士は、行政不服申し立てを代理できる専門資格です。業務の幅の広がりや収入の増加、社会的信頼の向上につながります。資格取得には法定研修の受講と考査の合格が必要です。難民認定や建設業許可、産業廃棄物処理施設の設置など、不許可となった案件にも対応できます。

特定行政書士は、クライアントの権利を守る重要な役割を担います。専門性を高め、より高度な業務に携わりながら、キャリアの発展につなげましょう。

コメント