「行政書士になれる裏ワザを紹介します!」
と呼びかけたら、
「え?!そんなものがあるならぜひ教えてほしい!」
と思うのではないでしょうか。
私も教えてほしいと思います。
しかし、こういった甘い誘い文句に騙されてはいけません。
行政書士試験は裏ワザのないきちんとした資格試験です。
ただ、行政書士試験で、
どうしてもわからない問題が出たときの
いざというときの裏ワザ解答法があるんです。
ここぞというときに使うから裏ワザは効果がある|多用は厳禁
話を変えて、ゲームには裏ワザが存在することがあります。
■レベルが一気に上がる最強の裏ワザ。
■初期装備が最強装備になる裏ワザ。
■貴重なアイテムを無限に増やせる裏ワザ。
■隠しエリアに行ける知る人ぞ知る裏ワザ。
■ゲームを最短クリアできるとんでもない裏ワザ。
挙げたらキリがありませんが、
普通にプレイしていたら辿り着けない、
プログラムの穴をついた隠し技があるのがゲームです。
一方で行政書士試験は実力勝負なので、
試験関係者の穴を付いた裏ワザはありません。
しかし、行政書士試験も人間が作る以上、
まったく知識がなくても問題が解ける、
という場合があるのです。
今まで勉強してきた経験値から導き出せるもの、
これまでの経験から得た知識で解けるもの、
意外にも、常識的に考えてありえない、
という感覚から導き出せるものもあります。
なぜ、合格率10%の行政書士試験で、
知識がなくても解ける問題が存在するのか。
五肢択一式の問題を作るから起こるのです。
五肢択一式問題は解答を作ってから間違いの問題を作る
私は教員をしていたのでテスト問題を作っていました。
行政書士試験と同じ五肢択一問題を作っていたのです。
五肢択一式の問題は1つの選択肢が正解で、
ほかの選択肢が間違いでなければいけません。
しかも簡単に解かれてしまっては意味がありません。
そこで、私は問題を作るときに、
5つの正しい選択肢を作った後、
4つの選択肢の文章を少し変えて、
不正解の問題に変えていたのです。
どうやって不正解の問題を作るかというと、
「太陽系の惑星の数は全部で8個である」
という完璧な答えを用意した後に数字を、
「太陽系の惑星の数は全部で9個である」
と変えるだけで不正解問題にできるのです。
この例は簡単な問題ですが、
行政書士試験でこの言い換えを数字や言葉、
用語で巧みに行われていたらどうでしょう。
行政書士試験のレベルを超えた難しい問題も作れます。
一方で、正しい選択肢を、
間違いの選択肢に作り直すので、
問題文の中で矛盾が起こったり、
明らかにおかしい選択肢が生まれることがあります。
こういった穴を付いて裏ワザを使うのです。
行政書士試験の問題をどう分析しても、
私が使っていた手法を使っているとしか思えないのです。
論より証拠|実際の本試験問題を使って裏ワザを活用できるか検証する
説明だけではイメージができないと思います。
行政書士試験で出題された、
実際の問題で裏ワザを使えるか実践します。
//行政書士試験研究センターより引用//
適正手続に関する次の記述のうち、最高裁判所の判例に照らし、妥当なものはどれか。
1 告知、弁解、防御の機会を与えることなく所有物を没収することは許されないが、貨物の密輸出で有罪となった被告人が、そうした手続的保障がないままに第三者の所有物が没収されたことを理由に、手続の違憲性を主張することはできない。
2 憲法は被疑者に対して弁護人に依頼する権利を保障するが、被疑者が弁護人と接見する機会の保障は捜査権の行使との間で合理的な調整に服さざるを得ないので、憲法は接見交通の機会までも実質的に保障するものとは言えない。
3 審理の著しい遅延の結果、迅速な裁判を受ける被告人の権利が害されたと認められる異常な事態が生じた場合であっても、法令上これに対処すべき具体的規定が存在しなければ、迅速な裁判を受ける権利を根拠に救済手段をとることはできない。
4 不利益供述の強要の禁止に関する憲法の保障は、純然たる刑事手続においてばかりだけでなく、それ以外にも、実質上、刑事責任追及のための資料の取得収集に直接結びつく作用を一般的に有する手続には、等しく及ぶ。
5 不正な方法で課税を免れた行為について、これを犯罪として刑罰を科すだけでなく、追徴税(加算税)を併科することは、刑罰と追徴税の目的の違いを考慮したとしても、実質的な二重処罰にあたり許されない。
//引用ここまで//
一般財団法人 行政書士試験研究センター(https://gyosei-shiken.or.jp/)
この問題の答えは4番ですが、
裏ワザを使うと一瞬で解くことができます。
間違いの選択肢を作るときに使われる手法として、
■数字の入れ替え
■用語の入れ替え
■極端な断定、または、否定
というやり方があります。
今回の場合は、
「極端な断定、または、否定」が当てはまります。
行政書士試験で実際に出題された問題を見ると、
4番以外は「極端な断定、または、否定」が入っています。
さらに、4番は文章全体を見ても条件が緩い表現になっています。
踏み込んで分析すると、
極端な言い回しを使っているため、
「常識的に考えても何かおかしい」
と、文章全体にも矛盾ができてしまっています。
きちんとした知識があれば解ける問題ですが、
まったく手が出ないというときに、
この裏ワザは有効な手段になります。
ただし、この裏ワザは本当に最後の手段として温存してください。
行政書士試験の問題の中には、この裏ワザを逆手にとって、
受験生の不合格を誘うこともあります。
特に条文問題のように、ゆるぎない事実である場合は、
あえて、「極端な断定、または、否定」を使って、
あたかも不正解の選択肢に見せることがあります。
それを差し引いても、行政書士試験は3時間の1発勝負。
選択肢のあたりをつけ、
時短をねらうために裏ワザを使うのも戦略の1つです。
≫五肢択一式問題の基本は思考力を高める勉強法だということを忘れないようにしましょう
行政書士試験の基本は正攻法で勉強すること
行政書士試験で「いざ」というときに使える裏ワザを紹介しました。
しかし、裏ワザは勉強した人が使える秘策です。
まずは、行政書士試験の参考書を使って、
しっかり知識を頭に入れて勉強をしましょう。
基礎があるからこそ、
本番で今持っている知識だけでは、
どう解答して良いかわからない問題に出会ったとき、
正答率を上げるための秘策に裏ワザは効果を発揮するのです。
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