行政書士試験の一般知識は「基礎知識」へ|2024年度の変更点と現在の試験範囲

行政書士試験の一般知識は「基礎知識」へ|2024年度の変更点と現在の試験範囲

行政書士試験について調べていると、「一般知識」と「基礎知識」という二つの名称が出てくることがあります。

古い教材やブログでは「一般知識等」、現在の試験案内では「行政書士の業務に関し必要な基礎知識」と書かれているため、

  • 2024年度から試験範囲が大きく変わったのか
  • 政治・経済・社会は出なくなったのか
  • 昔の一般知識対策は使えなくなったのか
  • 法律科目まで試験制度が変更されたのか

と迷うかもしれません。

結論から言うと、2024年度から科目名称や試験科目の表記は変更されましたが、「試験範囲が全面的に別物になった」と考えるのは正確ではありません。

行政書士試験研究センターは、この改正について、現行試験の内容や出題範囲を変更するものではないと明記しています。

一方で、行政書士業務に関係する法令や、行政手続のデジタル化に関係する情報通信・個人情報保護について、毎年それぞれ1題以上出題することが明記されました。

この記事では、2024年度から何が変わり、何が変わらなかったのかを、行政書士試験研究センターの公式資料に基づいて整理します。

現在の基礎知識をどう勉強するか知りたい場合は、行政書士試験の基礎知識の勉強法|足切りを避ける分野別対策と時間配分へ進んでください。

2024年度から「一般知識等」は「基礎知識」へ変わった

2024年度、つまり令和6年度試験から、「行政書士試験の施行に関する定め」の一部改正が適用されました。

改正前の科目名称は、

行政書士の業務に関連する一般知識等

でした。

改正後は、

行政書士の業務に関し必要な基礎知識

へ変更されています。

つまり、現在の行政書士試験で正式に使われている名称は「基礎知識」です。

ただし、検索や古い教材では現在でも「一般知識」という言葉が残っています。

「一般知識」と書いてあるだけで直ちに内容が誤っているとは限りませんが、現在の試験制度を確認するときは「基礎知識」を基準に考えます。

改正内容そのものは、行政書士試験研究センターの「行政書士試験の施行に関する定め」の一部改正についてで確認できます。

2024年度の改正で変更されたこと

今回の改正で確認しておきたい変更は、大きく3点です。

科目名称が「一般知識等」から「基礎知識」へ変わった

まず、先ほど説明した科目名称の変更です。

改正前改正後
行政書士の業務に関連する一般知識等行政書士の業務に関し必要な基礎知識

これが、「一般知識」から「基礎知識」へ変わったと言われる理由です。

ただし、名称変更だけを見て、従来の内容がすべて廃止されて新しい科目へ置き換わったと判断しないようにしてください。

行政書士業務と密接に関連する諸法令から1題以上出題すると明記された

改正後の基礎知識には、

行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令

という分野が明記されています。

さらに公式資料では、この分野について毎年1題以上出題することが明記されています。

ここは旧名称の記事や古い教材を使うときに確認しておきたいポイントです。

古い「一般知識」教材では、この改正後の表記や行政書士関連法令への対応が十分ではない可能性があります。

情報通信・個人情報保護等から1題以上出題すると明記された

もう一つ明記されたのが、情報通信・個人情報保護等です。

行政書士試験研究センターは、行政手続のデジタル化に関連する分野として、「情報通信・個人情報保護」等から毎年1題以上出題することを示しています。

情報通信・個人情報保護は改正前の一般知識等にも含まれていました。

今回の改正では、この分野を毎年出題することが明確にされたと理解するとよいでしょう。

2024年度の改正で変更されなかったこと

今回の改正では、「何が変わったか」だけでなく、「何が変わっていないか」が重要です。

試験内容・出題範囲を全面変更する改正ではない

行政書士試験研究センターは、2024年度改正について、現行試験の内容及び出題範囲を変更するものではないと説明しています。

したがって、

  • 政治・経済・社会がすべて削除された
  • 数学・物理・化学・歴史・地理・文学・芸術が正式に試験範囲から削除された
  • 2024年度から時事問題中心の試験になった
  • AIや著作権、労働法などが新しい正式科目として追加された

といった説明を、今回の改正内容からそのまま導くことはできません。

改正の趣旨と、実際の年度ごとの出題内容は分けて考える必要があります。

基礎知識は14題のまま

出題数も、この改正によって増減したわけではありません。

2026年度の行政書士試験案内でも、

  • 行政書士の業務に関し必要な法令等:46題
  • 行政書士の業務に関し必要な基礎知識:14題

とされています。

現在の年度情報は、行政書士試験研究センターの行政書士試験のご案内を確認してください。

基礎知識は択一式のまま

出題形式についても、基礎知識は択一式です。

行政書士試験の法令等では択一式と記述式が使われますが、基礎知識について記述式が導入されたわけではありません。

「名称が変わったから試験形式まで大きく変わった」と考えないようにしてください。

現在の基礎知識の試験範囲

2026年度の行政書士試験案内では、基礎知識14題について、次の分野から出題するとされています。

  1. 一般知識
  2. 行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令
  3. 情報通信・個人情報保護
  4. 文章理解

ここで注意したいのが、「一般知識」という言葉自体は現在の試験案内にも残っていることです。

変わったのは科目全体の名称です。

旧科目名は「行政書士の業務に関連する一般知識等」、現在の科目名は「行政書士の業務に関し必要な基礎知識」です。

そして現在の基礎知識の内部に、出題分野の一つとして「一般知識」が置かれています。

この違いを整理しておくと、「一般知識は廃止されたのか」という混乱を避けやすくなります。

現在の4領域をどう勉強するかは、基礎知識の分野別勉強法で整理しています。

法律科目の改正と2024年度の試験制度改正を混同しない

行政書士試験では、試験制度の変更とは別に、民法や行政法など個別法令の改正が問題になることがあります。

これは別の話です。

2024年度に基礎知識の名称や表記が変更されたことと、各法律が改正されたことを一つの「試験制度変更」としてまとめないようにします。

行政書士試験では、法令について基準日が設定されています。

例えば2026年度試験では、2026年4月1日現在施行されている法令が基準です。

したがって、教材を確認するときは、

  • 2024年度の基礎知識への名称・表記変更へ対応しているか
  • 受験年度の法令基準日に対応しているか

を別々に確認します。

古い「一般知識」教材を使うときに確認すること

古い教材だから、名称が「一般知識」だから、という理由だけで直ちに使えないとは限りません。

ただし、現在の行政書士試験へ使うなら、中身を確認する必要があります。

行政書士関連法令を収録しているか

現在の基礎知識では、「行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令」が明記されています。

旧一般知識時代の教材では、この分野への対応が現在と異なる場合があります。

表紙の年度だけでなく、目次や収録範囲を確認してください。

受験年度の法令基準日に対応しているか

行政書士関連法令や個人情報保護など、法令を扱う分野では改正への対応も確認します。

例えば2026年度なら、2026年4月1日現在施行されている法令が試験の基準です。

古い教材を使う場合は、この基準とのズレがないか確認する必要があります。

名称ではなく収録範囲を見る

「一般知識」と書いてあるから使えない。

「基礎知識」と書いてあるから絶対に使える。

この二択にはしません。

確認するのは、現在の公式範囲と教材の内容が対応しているかです。

基本テキスト自体をどう選ぶか迷っている場合は、行政書士の基本テキストをどう選ぶ?|主教材を固定するための比較基準も参考にしてください。

「一般知識から基礎知識へ変わった=難化」とは限らない

名称変更を見ると、

「行政書士業務に関する法律が追加されたから難しくなった」

「情報通信が重視されたから対策範囲が広がった」

と考えたくなるかもしれません。

しかし、少なくとも2024年度改正について、公式資料は「現行試験の内容及び出題範囲を変更するものではない」としています。

したがって、名称変更だけを理由に、

  • 教材を大量に追加する
  • 時事情報を無制限に追う
  • 基礎知識へ学習時間を大幅に移す

必要はありません。

まず公式範囲を確認し、自分が現在使っている教材で不足する部分があるかを判断します。

制度変更を知ったことで足切りが急に不安になり、学習範囲を増やしたくなっている場合は、行政書士試験の基礎知識が怖い人へ|足切り不安で崩れる構造も確認してください。

変更後の基礎知識は、現在の試験範囲から勉強する

制度変更について確認したら、次に必要なのは具体的な学習です。

現在の基礎知識では、

  • 一般知識
  • 行政書士関連法令
  • 情報通信・個人情報保護
  • 文章理解

を同じ勉強方法で処理する必要はありません。

知識を覚える分野と、制度を比較する分野、文章から根拠を探す分野では、失点原因が違うからです。

また、基礎知識には合格基準があるため放置はできませんが、足切りが怖いからといって無制限に時間を投入すると、行政法・民法の学習を圧迫します。

具体的な分野別対策と時間配分は、行政書士試験の基礎知識の勉強法|足切りを避ける分野別対策と時間配分へ進んでください。

行政書士試験の一般知識・基礎知識についてよくある質問

一般知識は2024年度から廃止されたのですか?

科目全体の名称は「行政書士の業務に関連する一般知識等」から「行政書士の業務に関し必要な基礎知識」へ変更されました。

ただし、現在の基礎知識の出題分野の中にも「一般知識」という表記は残っています。

2024年度から出題範囲は大きく変わったのですか?

行政書士試験研究センターは、2024年度改正について「現行試験の内容及び出題範囲を変更するものではありません」と説明しています。

名称変更だけから、大幅な範囲変更があったと判断しないようにしてください。

政治・経済・社会は出題されなくなったのですか?

2024年度改正を根拠に、「政治・経済・社会が正式に試験範囲から削除された」と断定することはできません。

現在の試験案内では、基礎知識の一分野として「一般知識」と表記されています。

基礎知識は何問出題されますか?

2026年度試験案内では14題です。

年度が変わった場合は、必ず行政書士試験研究センターの最新試験案内を確認してください。

古い一般知識の教材は捨てた方がいいですか?

名称だけでは判断できません。

現在の基礎知識の範囲、行政書士関連法令の収録状況、受験年度の法令基準日への対応を確認してください。

まとめ|名称ではなく、公式範囲と教材の対応を見る

2024年度から、行政書士試験の「行政書士の業務に関連する一般知識等」は、「行政書士の業務に関し必要な基礎知識」へ変更されました。

改正では、

  • 科目名称が変更された
  • 行政書士業務と密接に関連する諸法令から1題以上出題することが明記された
  • 情報通信・個人情報保護等から1題以上出題することが明記された

という点を確認できます。

一方、公式資料は、この改正について現行試験の内容及び出題範囲を変更するものではないと説明しています。

2026年度の試験案内でも、基礎知識は14題・択一式で、一般知識、行政書士関連法令、情報通信・個人情報保護、文章理解から出題されます。

「一般知識」という古い名称を見ただけで教材を捨てない。

「基礎知識へ変わった」と聞いただけで学習範囲を無制限に増やさない。

公式の出題範囲と、現在使っている教材の中身を照合して判断してください。

制度を確認できたら、次は基礎知識の分野別勉強法と時間配分へ進みましょう。

現在の試験科目、配点、合格基準までまとめて確認したい場合は、行政書士試験の内容へ戻ってください。

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