行政書士試験の合格率は10%です。
この話を聞いてあなたは、どう思うでしょうか。
「10%の合格率って難易度高すぎだろ」
と思うか、
「10%も合格するんだから絶対に合格してやる」
どのように捉えるかで試験の結果も変わります。
もっと大きく言えば人生が変わるでしょう。
10人に1人だけが合格する行政書士試験。
受からない国家資格としても有名です。
インターネットでは、合格できた、
不合格だった、と様々な意見があり、
何が本当なのか、わからなくなります。
独学で1年勉強したら合格できた。
予備校に通ったけど不合格だった。
この予備校で勉強したら合格できた。
数年勉強しているけど合格できる気がしない。
合格した話より不合格になった話を多く見かけます。
中には、いかに行政書士試験が難しいか、
かなり誇張した表現を使っている人もいます。
合格率10%はかなり難しい試験になります。
しかし、行政書士試験は試験の難しさだけで、
合格率が決まっているわけではないのです。
行政書士試験は誰でも受験できるので、
興味本位で受験している人から、
本気で受験している人まで様々です。
この状況も合格率に影響しているんです。
予備校の合格率が高いのは本気で勉強している人が多いからです。
試験の内容だけでは合格率は決まらない|受験生の行動も関係する
一般財団法人行政書士試験研究センターでは、
申込者数、受験者数、合格者数を公表してます。
行政書士試験の合格率が10%なのは間違いありません。
過去10年間の合格率推移を見ても明らかです。
年度 | 受験申込者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2022年度 | 60,479人 | 47,850人 | 5,802人 | 12.13% |
2021年度 | 61,869人 | 47,870人 | 5,353人 | 11.18% |
2020年度 | 54,847人 | 41,681人 | 4,470人 | 10.72% |
2019年度 | 52,386人 | 39,821人 | 4,571人 | 11.48% |
2018年度 | 50,926人 | 39,105人 | 4,968人 | 12.70% |
2017年度 | 52,214人 | 40,449人 | 6,360人 | 15.72% |
2016年度 | 53,456人 | 41,053人 | 4,084人 | 9.95% |
2015年度 | 56,965人 | 44,366人 | 5,820人 | 13.12% |
2014年度 | 62,172人 | 48,869人 | 4,043人 | 8.27% |
2013年度 | 70,896人 | 55,436人 | 5,597人 | 10.10% |
ただ、受験者全員が必死に勉強しているかはわかりません。
私は独学で勉強していましたが、
模試を受けるときは予備校に行っていました。
予備校に行くと講座で友達を作っている人も多いので、
試験が終わったときに仲良く話している姿を横目に
その人たちの会話に耳を澄まして聞いたんです。
「勉強していないところが出たから今回は点数悪かった」
「今回の模試は難しかったね、私も100点ぐらいだった」
と言っている人が多かったんです。
本試験まで2ヶ月を切っている時期に、です。
その時、私は択一式問題だけで、
合格点の180点をギリギリ超えるぐらいでしたが、
予備校に通っている人は240点とか300点満点とか、
もっと高得点を取っているんだろうな、と思っていました。
その想いは、この受験生の会話を聞いたことで良い意味で壊されました。
「行政書士試験で本気で勉強している人は少ないんじゃないか」
「合格率10%と言っても本当はもっと受かりやすいんじゃないか」
という疑問が生まれたのです。
行政書士を目指して本気で勉強できるのは全体の10%しかいない
少し別の話をしましょう。
私は行政書士試験に合格した後、色々なセミナーに参加しました。
その時の講師に言われた言葉が強烈だったのです。
「今日のセミナーを受けた後、本気で取り組む人はこの中の10%でしょう」
1000人ぐらいのセミナーだったので、
この中で、100人しか取り組む人はいないのか、
という事実に驚いたことを今でも覚えています。
この話は行政書士試験にもいえることです。
毎年4万人が受験して、合格する人は4千人。
ちょうど10%です。これが合格率のカラクリなんです。
行政書士試験は合格率10%の試験なので、
全体の10%が本気で勉強するのだとしたら、
合格率のつじつまが合うと思ったのです。
行政書士試験で不合格になる90%の人は、
何からの理由で勉強ができなかった人なのです。
本気で行政書士になりたいあなたにとって、
合格率10%は難易度が高い試験だとは思いません。
現実的に合格に手が届く難易度だと思っています。
行政書士試験は年1回なので勉強が続かない人が多い
同じ国家資格の試験でも合格率が60%の試験もあります。
なぜ行政書士と同じ国家資格なのに合格率が高いのか。
それは、年に何回も試験があるからです。
1回目が不合格であっても、
3か月後にある試験でリベンジする、
というように受験チャンスが多いんです。
数ヶ月ごとに本試験があるので、
モチベーションを保ちやすく、
勉強した知識を積み上げたまま、
より深く勉強することができるのです。
「今回は本試験までに勉強が十分にできなかった」
という人でも、数ヶ月後の試験に向けて頑張ればいい、
と、すぐに勉強方針を変えることができるので、
1回目で合格する人や複数回受験して合格する人もいます。
結果、合格率が60%の国家資格ができあがるんです。
一方行政書士試験は年に1回だけです。
1年も勉強を続けられる人がどれだけいるでしょうか。
初心者が行政書士試験に合格するには、
最低でも300時間は勉強する必要があります。
しかも出題範囲が広く勉強量が多いのが特徴です。
綿密な勉強スケジュールを立てても挫折する人が多いんです。
8月の申込みギリギリから勉強を始める人もいます。
勉強を終えることはまず不可能でしょう。
勉強する範囲が全部終わらなかった。
申込みはしてるから記念に受験しよう。
という結果に終わる受験生が多いんです。
行政書士が誰でも受けられる試験だから起こる現象です。
働きながら本気で勉強しているあなたならば、
合格率に左右されることはありません。
自分の努力が合格につながるんです。
≫勉強を継続するにはモチベーションのコントロールが不可欠です。
公表された合格率は関係ない!あなたが合格率を決める
行政書士試験の合格率は10%。
合格率の低さに尻込みしてしまいますが、
実際は受験者全員が必死に勉強している、
というわけではありません。
申込みをしたから記念に受けよう。
8月から勉強したけど範囲が終わらなかった。
毎年の恒例行事になっているから今年も受験しよう。
と思いながら受験している人も多いんです。
これまで14~80歳の人が行政書士試験を受けています。
年齢に関係なく受験できることが行政書士の魅力です。
逆に、誰でも受験できるからこそ、
合格率が10%と低くなっている、
要因の一つになっています。
合格率は関係ありません。あなたが決めるんです。
勉強する習慣をしっかり作って、
効率よく勉強していくことで、
初めての受験でも行政書士に合格できます。
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