行政書士試験の内容は?科目・配点・合格基準と勉強戦略を解説【2026年】

行政書士試験の内容は?科目・配点・合格基準と勉強戦略を解説【2026年】

行政書士試験の勉強を始めようと思ったとき、

「とりあえず参考書を買おう」
「まずテキストを最初から読もう」

と考えていませんか。

私は最初の受験で、
試験そのものを十分に分析しないまま勉強を始めました。
これがかなり危険でした。

行政書士試験は、300点満点を目指す試験ではありません。

どの科目から何点出るのか。
どこに合格基準が設定されているのか。
どの形式の問題を、どの程度取れば合格できるのか。

この「試験の構造」を先に理解してから、教材や勉強方法を決める必要があります。

行政書士試験は、知識量だけを競う試験ではありません。

限られた時間と教材で、合格に必要な180点以上をどう作るかを考える試験です。

この記事では、行政書士試験の科目、配点、合格基準、出題形式、2026年度の日程から、そこから逆算した勉強の考え方まで整理します。

行政書士試験の内容を最初に確認しよう

行政書士試験の基本構造を先にまとめると、次のようになります。

項目内容
試験時間3時間
問題数60問
満点300点
法令等46問・244点
基礎知識14問・56点
合格基準総合180点以上
法令等の基準122点以上
基礎知識の基準24点以上
受験資格年齢・学歴・国籍等を問わない
実施原則として年1回(11月第2日曜日)

ここで重要なのは、

「180点取れば何でもいい」わけではないという点です。

法令等で122点以上。
基礎知識で24点以上。
さらに全体で180点以上。

この3つをすべて満たす必要があります。

したがって、

「行政法と民法だけ完璧にする」
「基礎知識は捨てる」
「記述で一発逆転する」

といった極端な戦略は危険です。

行政書士試験では、
まず試験全体の構造を理解したうえで、合格点を組み立てていきます。

行政書士試験はどのような試験なのか

行政書士試験では、行政書士の業務に必要となる法令等と基礎知識が問われます。

試験は大きく、

  • 行政書士の業務に関し必要な法令等
  • 行政書士の業務に関し必要な基礎知識

の2つに分かれています。

法令等だけ勉強すればよい資格試験ではありません。
一方で、すべての分野を同じ密度で勉強する必要もありません。

行政書士試験には明確な配点差があります。
この配点差を理解することが、学習戦略を作る出発点になります。

行政書士試験に受験資格はない

行政書士試験は、

  • 年齢
  • 学歴
  • 国籍

などに関係なく受験できます。

法律を大学で学んでいない人でも受験できます。
社会人になってから勉強を始めることも可能です。

私自身も、最初から法律の専門家だったわけではありません。

その意味では挑戦しやすい国家試験です。

ただし、
「誰でも受けられる」ことと「簡単に合格できる」ことは別です。
受験資格がないからこそ、試験内容を理解して、自分で学習を設計する必要があります。

行政書士試験の科目と配点

行政書士試験は300点満点です。

大きく分けると、

法令等:244点
基礎知識:56点

という構成です。

試験全体の8割以上を法令等が占めています。
したがって、学習の主軸が法律科目になることは間違いありません。
ただし、基礎知識にも合格基準があるため、完全に捨てることはできません。

法令等は46問・244点

法令等では、

  • 憲法
  • 行政法
  • 民法
  • 商法
  • 基礎法学

などから出題されます。

特に学習量が大きくなるのが行政法と民法です。

ここで注意したいのが、
「行政法は何点、民法は何点だから、その2科目だけで180点を取ればよい」という考え方です。

年度によって実際の出題内容や難易度は変わります。
試験前から特定科目だけで合格点を作ろうとすると、出題の揺れに弱くなります。

行政法と民法を学習の中心に置きながら、
憲法・商法・基礎法学を含めた法令等全体で得点を作る方が安定します。

基礎知識は14問・56点

基礎知識では、

  • 一般知識
  • 行政書士法等の行政書士業務と密接に関連する諸法令
  • 情報通信
  • 個人情報保護
  • 文章理解

などが出題範囲とされています。

以前の行政書士試験では「一般知識等」と呼ばれていたため、
「政治・経済・社会の雑学対策をする科目」
というイメージを持っている人もいるかもしれません。

しかし、現在はその認識だけでは不十分です。

行政書士業務に関連する法令なども出題範囲に含まれています。

したがって、

「新聞を毎日読めば大丈夫」
「一般常識問題集をひたすら解けばいい」

という単純な対策にはしない方がよいでしょう。

基礎知識も、現在の出題範囲を確認したうえで対策します。

行政書士試験の出題形式は3種類

行政書士試験では、大きく3種類の出題形式があります。

出題形式内容配点
五指択一式5つの選択肢から解答1問4点
多肢選択式複数の語句から空欄に入るものを選択1問8点
記述式40字程度で解答1問20点

5肢択一式

行政書士試験の中心になる形式です。

問題文と5つの選択肢を読み、正しいものや誤っているものを判断します。

択一式だからといって、
「正解肢だけ覚える」勉強をしてはいけません。

重要なのは、
なぜその肢が正しいのか、なぜ他の肢が誤っているのかを説明できることです。

過去問を使うときも、正解したかどうかだけを見るのではなく、判断根拠まで確認します。

多肢選択式

多肢選択式は、文章中の空欄に入る適切な語句を選択する形式です。

1問8点で、空欄1つにつき2点です。
文章全体の意味や法律用語の関係を理解する必要があります。

単語だけを暗記するより、

「この制度は何のためにあるのか」
「この判例は何を判断したのか」

まで理解しておく方が対応しやすくなります。

記述式

記述式は3問、合計60点です。

1問20点と配点が大きいため、気になる人も多いでしょう。

しかし、
記述式だけで合格しようとしないことが重要です。

記述式は、行政法や民法の知識を文章として再現できるかを確認する問題です。
つまり、択一式とは完全に別の勉強ではありません。

普段から、
「なぜそうなるのか」
「誰が、誰に、何を請求できるのか」
と説明する学習をしていると、記述式にもつながります。

記述式は「特別な暗記科目」というより、法律知識を自分で再構成できるか確認する問題として考えるとよいでしょう。

行政書士試験は3つの合格基準をすべて超える必要がある

行政書士試験で最も重要なルールの一つです。

合格するためには、

  1. 法令等で122点以上
  2. 基礎知識で24点以上
  3. 総合で180点以上

の3条件をすべて満たす必要があります。

180点を超えても不合格になる場合がある

例えば、

法令等156点。
基礎知識20点。
合計176点。

これはもちろん不合格です。

では、

法令等160点。
基礎知識20点。
合計180点。

ならどうでしょうか。

これも不合格です。

総合点は180点に達していますが、基礎知識が24点に届いていないからです。

つまり行政書士試験では、
合計点と科目別基準の両方を見る必要があります。

最初から180点ぴったりを狙わない

勉強計画を立てるとき、

「180点取ればいい」と考えるのも危険です。

本試験では、

  • 問題との相性
  • 読み間違い
  • 時間不足
  • 緊張
  • 難易度の変化

が発生します。

普段から180点前後しか取れない状態では、本番の小さな失敗だけで合格ラインを割ります。

したがって学習段階では、
180点をゴールではなく最低ラインとして考える必要があります。

合格率だけを見て難易度を判断しない

令和7年度、つまり2025年度の行政書士試験では、

受験者50,163人。
合格者7,292人。
合格率14.54%でした。

10人受験すれば1~2人程度が合格する割合です。
数字だけを見ると難しい試験に見えます。

ただし、合格率だけで、

「自分には無理だ」

と判断する必要はありません。

行政書士試験は競争試験ではありません。
上位10%に入らなければ不合格になる試験ではなく、原則として決められた合格基準を満たせば合格できます。

したがって重要なのは、
他の受験生に勝つことではなく、自分の得点を合格基準まで積み上げることです。

この違いはかなり大きいです。

行政書士試験では「何を勉強するか」より先に構造を見る

ここまで試験内容を確認してきました。

では、ここから何を考えるべきでしょうか。

いきなり参考書を開くのではありません。

まず、
300点のうち、どこから180点以上を作るのかを考えます。

法令等を学習の主軸にする

法令等は244点あります。

したがって、行政書士試験では法律学習が中心になります。
特に行政法と民法は、理解にも演習にも時間がかかります。
早い段階から繰り返し触れる必要があります。

一方、

「行政法と民法だけやればいい」
という意味ではありません。

得意不得意や年度ごとの難易度を考えると、複数科目から得点できる状態の方が安定します。

基礎知識を後回しにしすぎない

法律科目の方が配点は大きいため、勉強開始直後から基礎知識ばかり勉強する必要はありません。

ただし、

「直前期になってから基礎知識を始めればいい」
と完全放置するのも危険です。
24点という合格基準があるからです。

学習全体の進捗を見ながら、一定の時期から基礎知識も組み込みます。

記述式を「最後に覚えるもの」にしない

記述式対策というと、

「40字の答えを暗記する」

イメージを持つ人がいます。

しかし、記述式の土台になるのは行政法・民法の理解です。

普段の択一式学習で、

  • 要件は何か
  • 効果は何か
  • 誰が請求できるか
  • いつまでに何をするか
  • なぜその結論になるか

を説明する癖をつけます。

それ自体が記述対策になります。

過去問は「何問正解したか」だけを見る教材ではない

行政書士試験を理解するうえで、過去問は重要です。

ただし、過去問には2つの使い方があります。

1つ目は知識を確認すること。

2つ目は、

本試験がどのように知識を要求してくるのか観察することです。

例えば、

「この条文を覚えていれば解けた」

で終わるのではなく、

「どこを変えて誤りの選択肢を作っているのか」
「どの知識とどの知識を区別させようとしているのか」まで確認します。

これができると、過去問が単なる暗記教材ではなくなります。

行政書士試験の「出題者の問い方」を学ぶ教材になります。

2026年度行政書士試験の日程

2026年度行政書士試験は、

2026年11月8日(日)13時から16時に実施されます。

受験手数料は10,400円です。

2026年度の申込期間は、

インターネット申込みが、
2026年7月21日9時から8月24日17時まで。

郵送申込みが、
2026年7月21日から8月17日まででした。

行政書士試験は年に1回しか受験機会がありません。
勉強がどれだけ順調でも、申込みを忘れればその年は受験できません。
私は勉強を始めた当初、このような試験日程を十分に意識せずに学習を始めていました。

だからこそ、
教材を選ぶ前に、本試験日と申込期限を確認する
ことをおすすめします。

:Case020「行政書士試験の申込期限」

さらに、本試験当日に慌てないよう、事前に当日の動きをシミュレーションしておくことも重要です。

:Case021「行政書士試験当日のシミュレーション」

行政書士試験に科目免除はある?

行政書士試験には、一般的な意味での科目合格制度や、合格した科目を翌年度に持ち越す制度はありません。

今年一部の科目で高得点を取ったとしても、
「その科目は来年受けなくていい」
とはなりません。

基本的には、その年度の試験全体で合格基準を満たす必要があります。
資格試験によっては科目免除制度がありますが、他資格と混同しないようにしましょう。

:「行政書士試験に科目免除はある?試験免除との違い」

独学・通信講座・通学は試験内容を確認してから選ぶ

行政書士試験の勉強方法は、大きく分けると、

  • 独学
  • 通信講座
  • 通学講座

があります。

どれが絶対に優れているというものではありません。

重要なのは、

この試験を自分一人で設計・管理できるか

です。

独学が向いている人

独学では、

  • 教材を選ぶ
  • 学習順序を決める
  • 進捗を管理する
  • 法改正に対応する
  • 弱点を判断する

ことを自分で行います。

自由度が高い反面、判断を間違えても止めてくれる人はいません。

自分で学習を管理できる人には向いています。

通信講座が向いている人

通信講座では、

教材。
講義。
学習順序。
カリキュラム。

などがある程度セットになっています。

「何をどの順番で進めるか」を自分だけで決める負担を減らせます。

働きながら勉強する人にとって、学習設計を外部化できることは大きなメリットです。

ただし、動画を見ること自体が勉強の目的にならないよう注意してください。

通学講座が向いている人

通学講座では、決められた時間と場所で学習できます。

一人では勉強習慣を維持しにくい人にとって、強制的に勉強する環境を作れることはメリットです。

一方で、通学時間や講義時間が固定されるため、仕事との調整が必要になります。

大切なのは「一番合格率が高そうな方法」を探すことではない

独学。
通信。
通学。

どれを選んでも、教材を消化するだけでは合格できません。

重要なのは、
自分が合格まで回し続けられる学習システムを作れるかです。

:「独学・通信・通学の違いと選び方

行政書士試験の勉強は3段階で考える

行政書士試験の勉強を複雑にしすぎる必要はありません。

大きく分けると、

  1. 理解する
  2. 思い出す
  3. 本試験で使えるようにする

という3段階です。

1.基本テキストで法律の構造を理解する

最初は基本テキストを中心にします。

ここで重要なのは、何冊も比較し続けないことです。

主教材を決めたら、

「分からないから別の本へ」

ではなく、その教材を中心に理解を積み上げます。

:「行政書士の基本テキスト比較」

2.問題演習で知識を思い出す

テキストを読んで、

「分かった」

と思うだけでは本試験で点になりません。

問題を見たときに知識を取り出せる必要があります。

そのため、過去問や問題集を使い、

読む勉強から、

思い出す勉強

へ移行します。

3.模試や本試験形式で3時間の試験に対応する

最後は知識だけではなく、

  • 時間配分
  • 解く順番
  • 判断を保留する問題
  • 見直し時間
  • 記述式に使う時間

まで含めて練習します。

本試験では60問を3時間で処理します。

知識があっても、3時間の中で取り出せなければ得点にはなりません。

したがって直前期では、

「さらに知識を増やす」

だけでなく、

持っている知識を本試験で使う練習

が必要になります。

行政書士試験で失敗しやすい勉強法

私自身、一度不合格になったからこそ、行政書士試験では「やることを増やす」危険性を感じています。

教材を増やし続ける

不安になると、

「もっと詳しい本が必要では?」

と思います。

しかし、新しい教材を増やすほど復習対象も増えます。

必要なのは教材数ではなく、基本教材から必要な知識を取り出せる状態です。

勉強時間だけを増やす

長時間勉強すれば必ず合格できるわけではありません。

間違った方向へ10時間進めば、10時間分遠回りします。

重要なのは、

「今日何時間勉強したか」

だけではなく、

「何ができるようになったか」

を見ることです。

分からないたびに勉強法を変える

勉強を始めると、必ず分からないところが出てきます。

そこで、

教材を変更。

勉強法を変更。

講座を追加。

YouTubeを検索。

SNSで別の合格法を探す。

と動き続けると、学習の軸が消えます。

分からないことが発生したときに必要なのは、

勉強法そのものを捨てることではなく、どこで理解が止まっているか観察すること

です。

行政書士試験対策では「観測→修正」を繰り返す

学習計画は、一度作れば終わりではありません。

行政書士試験まで、

観測

問題を解き、現在の理解度・正答率・苦手分野を確認する。

解釈

なぜ間違えたのか確認する。

知識不足なのか。

理解不足なのか。

読み間違いなのか。

忘れていたのか。

時間不足なのか。

原因を分けます。

判断

次に何を勉強するか決めます。

実行

テキストへ戻る。

問題を解き直す。

条文を確認する。

説明してみる。

再観測

もう一度問題を解きます。

このサイクルを繰り返します。

行政書士試験の勉強とは、教材を最初から最後まで消化することではありません。

自分の状態を観測しながら、合格できる状態へ修正していくこと

だと考えています。

状況別に行政書士試験の詳細を確認する

行政書士試験の全体像が分かったら、今気になっていることだけ詳しく確認してください。

全部の記事を順番に読む必要はありません。

今の疑問に関係する記事だけ確認し、必要になったらこの試験概要へ戻ってください。

行政書士試験についてよくある質問

行政書士試験は誰でも受験できますか?

年齢・学歴・国籍等に関係なく受験できます。

法律を学んだ経験がない人でも受験可能です。

行政書士試験は何点取れば合格ですか?

原則として、

  • 法令等122点以上
  • 基礎知識24点以上
  • 総合180点以上

の3条件すべてを満たす必要があります。

単純に合計180点だけ取ればよいわけではありません。

行政書士試験は何問ありますか?

合計60問です。

法令等46問、基礎知識14問で構成されています。

行政書士試験は何時間ですか?

試験時間は3時間です。

2026年度は13時から16時まで実施されます。

記述式は何問ありますか?

3問です。

1問20点で、合計60点あります。

ただし、記述だけに依存せず、択一式を含めて安定して得点できる状態を作ることが重要です。

行政書士試験に科目合格制度はありますか?

一般的な意味での科目合格・翌年度への持越し制度はありません。

その年度の試験で必要な合格基準を満たす必要があります。

まとめ|試験内容を知ることが行政書士試験合格のスタート地点

行政書士試験の勉強を始めると、

「どの参考書がおすすめ?」

「何時間勉強すればいい?」

「独学と通信講座はどちらがいい?」

と方法ばかり探したくなります。

しかし、その前に確認するものがあります。

自分が受ける試験そのものです。

行政書士試験は、

  • 60問
  • 300点満点
  • 試験時間3時間
  • 法令等244点
  • 基礎知識56点
  • 法令等122点以上
  • 基礎知識24点以上
  • 総合180点以上

という構造になっています。

この構造が分かれば、

何を中心に勉強するのか。

どこを捨ててはいけないのか。

どこまで勉強すればいいのか。

教材をどう選ぶのか。

が考えられるようになります。

私が一度不合格になって感じたのは、

勉強量を増やすことと、合格に近づくことは同じではない

ということです。

大切なのは、試験を理解し、自分の現在地を確認し、必要な勉強へ戻ること。

同時に、試験の構造だけでなく、資格を取る目的も確認しておきたいところです。取得後に得られるものを整理したい場合は、行政書士資格を取るメリットへ進んでください。勉強時間を使う価値があるのか迷っている場合は、行政書士資格が時間の無駄になる条件から確認できます。

まず行政書士試験の構造を知る。

そこから、自分の合格までの学習を設計していきましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です