行政書士試験の勉強法|初心者が最初にやることと働きながら進める手順

行政書士試験の勉強法|初心者が最初にやることと働きながら進める手順

行政書士の勉強を始めようと思って本屋に行くと、分厚いテキストと問題集がずらりと並んでいます。仕事の後にあれを全部読むのかと思うと、始める前から気が重くなるかもしれません。

でも、最初から一冊を全部理解する必要はありません。法律を初めて学ぶなら、基本テキストの小テーマを読み、その範囲の問題を解くところから始める。 間違えたら解説を確かめ、必要な部分だけテキストを読み直す。これを繰り返していくことを、基本の勉強方法としてお勧めします。

今週、何時間使えるのかも、勉強してみなければ分からない部分があります。最初は小さく始めて、実際にかかった時間を見ながら増減させれば大丈夫です。この記事では、最初の一回、最初の一週間、科目の進め方、仕事との両立まで順番に説明します。

行政書士の勉強は、テキストと問題を往復するところから

基本テキストと対応する問題集を用意する

独学で始める人には、まず基本テキストと問題集を揃えましょう。テキストは制度の意味を調べる本、問題集はその説明を自分で使えるか確かめる本です。役割が違うので、テキストのあるテーマを読み終えたら問題集で確認することもできます。

すでに教材を買っているなら、それを使ってください。通信講座のテキストや演習問題がそろっている人も、市販本を追加で買う必要はありません。受験する年度と、教材が出版された年度が合っているかは必ず確認しましょう。

まだ何も持っていない場合は、最初にそろえる教材と使う順番をまとめた案内から選べます。基本テキストの候補をすぐ比べたいなら、行政書士の基本テキスト6冊の比較を読むことを勧めます。どちらも全部読む必要はありません。自分に必要な勉強が分かったところで、実際に学習を始めてください。

一つの範囲を読んだら、対応する問題を解く

最初は、教材の目次を見て一つの項目を選びます。例えば「代理」という項目を読むなら、その説明を読んでから、同じテーマの問題を少し解いてみる。ここでは特定の条文や正誤を覚え切ることより、説明を理解しているかを問題を解いて確認することに目を向けます。

問題を開いても、何を問われているのか分からないことがあります。初めて学ぶ法律用語なら、なおさらです。そのときは基本テキストの該当箇所を読んでみましょう。解説を読んでも意味が理解できなければ、周辺の説明も少し読み直します。

反対に、テキストを読んで「分かった気がする」のに問題では迷うことがあります。テキストを読み進めるだけでは、その違いに気づきにくいこともあります。そのため、長い章を一気に読み終えるより、短く小テーマごとに区切って問題を解いたほうが、勉強の進みが良くなります。

教材によっては初めに用語や全体像を学ぶ時間が必要です。特に講座を利用している人は、講義と演習の指定された順序を参考にしてください。「読んだら即座に必ず問題を解く」という固定ルールではありません。

解説で確かめ、次に戻る箇所を残す

解き終えたら、点数や正解番号だけを見て終わりにしないことです。間違えた選択肢や、正解しても理由を説明できなかった選択肢を確かめます。

毎回すべての肢を深く調べる必要はありません。たとえば、解説を見ても判断がつかなかった一つの肢だけ、テキストに戻って確認する。それでも十分、勉強になります。

記録も大げさでなくて構いません。

残すこと記入例(架空)
問題問題集の問12・肢ウ
迷った理由原則と例外を混同した
次に戻る場所基本テキストの該当項目
後日の確認解説を閉じて理由を言えるか

ノートをきれいに作ることが目的ではありません。次に同じ問題を開いたとき、「何を確かめればいいか」が分かれば十分です。選択肢ごとの復習を詳しく知りたい人には、五肢択一の復習法と5つの手順を読んでください。

最初の一週間は、勉強の量を試しながら決める

一週間の計画というと、月曜から日曜まで隙間なく埋めたくなります。でも、仕事をしながら勉強するなら、最初は「何時間続けられるかを確かめる一週間」にしてよいと思います。

次は、まだ勉強を始めていない社会人向けの架空の進め方です。私自身が受験した当時の時間割ではありません。

学習の回やること最後に確かめること
初回教材の目次を見て、一つの項目を読み、対応問題を少し解く実際にかかった時間と、分からない言葉
2回目前回迷った問題を確認し、次の小さな範囲へ進む前回より説明できる点はあるか
3〜4回目読む・解く・戻るを繰り返すどの作業に予定より時間がかかるか
週末など使えた時間と未復習の問題を確認する次週の範囲、復習、予備の時間

「4回目」まで終わらなければ失敗という意味ではありません。勤務の都合で週2回の勉強しかできなければ、次の週に続きができるように考えましょう。

一回30分しか取れない日なら、たとえば「前回の確認5分、新しい説明10分、問題と解説15分」という分け方もできます。これは単なる配分例です。分からない用語に15分必要だったなら、新しい範囲を減らすなど、工夫が必要です。

一週間を終えた時点で見たいのは、「何ページ進んだか」だけではありません。問題を解いてみて分かったこと、次に戻る箇所、実際に使えた時間。この三つがあれば、翌週の計画を今より現実的に組み立てることができます。

科目は同じ時間ずつではなく、段階を分けて進める

用語に慣れながら、行政法・民法の学習時間を確保する

法律をまったく知らない段階では、そもそも何を指しているのか分からない言葉がたくさん出てきます。最初から全科目を同じ丁寧さで勉強するより、教材の入門部分で基本用語に慣れ、その後は、配点の高い行政法と民法にまとまった学習枠を確保する進め方を勧めます。

ただ、使っている教材が憲法から始まるなら、テキストの順に合わせて勉強するのもありです。「必ず行政法から始めなければならない」とは考えなくて構いません。大切なのは、どこか一科目を読み続けるだけで問題演習や他の必要科目を後回しにしないことです。

基礎知識やその他の科目を、後回しにし続けない

行政法や民法を重視するといっても、それ以外を捨ててよいわけではありません。行政書士試験は法令等と基礎知識が出題され、総得点だけではなく科目区分ごとの合格基準も設けられています。

公式の合否判定基準では、全体300点中180点以上に加え、法令等122点以上・基礎知識24点以上が必要だからです。(受験予定年度の正式な案内は行政書士試験研究センターで確かめてください。)

勉強の作業としては、次のように整理できます。

分野勉強の方針理解・定着の確認
行政法・民法制度の意味を読み、対応問題で判断するなぜその選択肢になるか説明できるか
憲法・商法・基礎法学など教材に沿って基本事項と問題を進める重要な条件や制度の違いを説明できるか
基礎知識対象範囲を確認して演習する問いの根拠を説明できるか
記述式学んだ知識を自分の言葉で答案にする解説と比べ、必要な要素を挙げられるか
本試験形式時間を計って通し演習する時間配分と復習すべき失点を把握できるか

記述式と本試験形式の練習も、学習が進んだら組み込む

基本知識を学ぶことと、答案を書くことは別の練習です。理解したつもりでも、40字程度で必要な要素をまとめようとすると手が止まることがあります。

だから、全部の科目を完璧にするまで記述式を禁止する必要はありません。学んだ範囲で書ける問題から触れ、解答を見ながら必要な要素を確かめてください。素材が不足するなら記述式問題集の比較を参考にしましょう。

また、問題を一問ずつ解けても、本試験の制限時間内に判断できるかは別の問題です。本番形式の演習が必要になったら、予想模試の選び方と復習方法も確認してください。ただ、勉強量を無駄に増やさないためにも、最初から記述式問題集と模試を一度に買う必要はありません。

仕事と両立するなら、今週使える時間へ配置する

働きながらの受験では、毎日の勉強時間が揃わないのが普通です。仕事から帰って30分だけ使える日もあれば、休日にまとまった時間を取れる日もあるでしょう。

まずは、残業や家の用事がある通常の一週間を書き出してみてください。「何も予定がなければ毎日3時間」という理想ではなく、実際に続けられそうな時間枠を確認するのです。

短い時間枠には前回の間違い直し、まとまった時間枠には新しい項目と対応問題という使い分けもできます。ただし、睡眠を削って勉強時間を確保することは、効率が悪いため、やめましょう。

合格に必要な総時間は、人によって違ったりします。私自身の記録を参考に、生活から使える時間を試算する方法を勉強時間の記事で詳しく扱っています。今週の曜日や時間帯まで決めたいなら、働きながらの週次計画の立て方を読んでください。勉強計画を立てる上での参考になる考え方を記事にしています。

勉強が止まったら、困っている箇所に合わせて変える

いざ始めると、予定とは違うところで立ち止まることがあります。そこで教材を一冊増やす前に、何が困っているのかを一つだけ確かめてみてください。

今困っていること最初に試すこと次に頼れるもの
読んだのに問題で迷う学ぶ範囲を小さくして、正誤の理由を確認する五肢択一の復習法
解説の言葉が分からないテキストの該当箇所に戻り、疑問を一つ整理する続くなら通信講座の比較
予定した量が終わらない実際に取れた時間で翌週を組み直す週次計画の立て方
教材選びのまま勉強が始まらない最初の基本セットを選んで一項目だけ進める教材総合案内

講義を受ければ必ず勉強が続くわけではありませんし、すべてを独力で解決する必要もありません。理解するために専門家からの説明や質問先が継続的に必要なら、独学にこだわらず、講座を比較してよいと思います。比較するときは、含まれる教材・演習・質問の方法まで見て選んでください。

行政書士の勉強法でよくある質問

最初から過去問を解いてもいいですか?

構いません。ただ、初めから全年度の問題を通しで解く必要はありません。最初に読んだ範囲に関係する問題を選び、解説で必要な知識へ戻る使い方から始めると、勉強を進めやすいでしょう。

独学と通信講座はどちらがいいですか?

テキストと問題集の説明で進められ、学習順序を自分で決めたいなら独学が候補になります。講義で説明を聞きたい、質問や添削などの支援が必要なら通信講座も選択肢です。どのコースにも同じ支援があるわけではないので、通信講座のコース別比較で内容を確かめてください。

今から始めても間に合いますか?

残りの期間と、法律を学んだ経験、これから確保できる時間によって変わります。勉強開始時点で一律に「半年あれば大丈夫」「一年必要」とは言えません。まず今週使える時間と、最初の問題を解くのにかかった時間を確かめましょう。受験予定年度の試験日・申込期間は試験実施団体の案内で確認できます。

今日取り組む範囲を一つ決めよう

これから独学で始めるなら、テキストの目次から一つの項目を選び、対応する問題を少し解いてみてください。解説を読んで分からなかったところを一つ残せれば、次回の勉強はもう決まっています。

教材がない人は、最初にそろえる教材の案内を使って、主教材を決めるところから始めましょう。

勉強法は、きれいな計画表が完成してから試すものではありません。今日の一問で何が分かったか。その結果から、明日以降の進め方を変えていけばいいんです。

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