- 今の仕事を続けながら、将来のために法務資格を取りたい
- 行政書士以外にどんな法務資格があるのか知りたい
- 法務資格の勉強方法がわからない
今の生活から脱却するため、法務資格の取得を考えるのは素晴らしい一歩です。しかし、働きながら合格を目指すには、どの資格が最適で、どう勉強すればいいのか悩んでしまいますよね。
この記事では行政書士をはじめとする法務資格の種類やメリット、効率的な勉強方法を解説します。記事を読めばあなたに最適な法務資格が見つかり、働きながら合格を目指すための具体的な道筋がわかります。
自分の就きたい法務職で生かせる法務資格を選びましょう。法務資格を最短で取得するためには、具体的な学習計画を立てたり、オンライン講座や予備校を活用したりする方法が有効です。
法務資格を取得するメリット3選

法務資格を取得するメリットは以下のとおりです。
- スキルアップできる
- 知識やスキルの証明になる
- 学習意欲の高さが評価される
スキルアップできる
法務資格の勉強をすると、実務に役立つスキルが身に付きます。法律の学習は知識を暗記する以外にも、さまざまな能力が必要です。法務資格の学習過程で身に付く能力は以下のとおりです。
- 法的思考力(リーガルマインド)
- 読解力
- 問題解決能力
- リスク管理能力
- 文章作成スキル
法律の学習で身に付くスキルはあらゆるビジネスシーンで役立ちます。
知識やスキルの証明になる

法律に関する専門知識やスキルを証明する法務資格を取得すると、周りからの信頼を得やすくなります。法務資格を取得するメリットは以下のとおりです。
- 独立開業の可能性が広がる
- 転職の幅が広がる
- 社内評価の向上につながる
- ビジネスを円滑に進めやすくなる
自分の将来像に合う働き方を実現するためには法務資格の取得が効果的です。
学習意欲の高さが評価される
難関資格である法務資格の取得は学習意欲の高さをアピールできます。法務資格を取得するには以下の能力が必要です。
- 限られた時間で効率的に勉強できる
- 目標を立てて計画的に努力できる
- 勉強を習慣化できる
学習意欲の高さを法務資格の取得によりアピールできれば、実務未経験の分野でも魅力的な人材として評価されます。
法務資格の種類8選

法務資格の種類は以下のとおりです。
- 弁護士
- 司法書士
- 行政書士
- 弁理士
- ビジネス実務法務検定
- ビジネスコンプライアンス検定
- 個人情報保護士
- 知的財産管理技能検定
弁護士資格
弁護士は法律関連資格の最高峰かつ最難関の国家資格です。弁護士資格を取得すると業務制限がなくなり、裁判での代理人や法律相談など法律事務の全般を担えます。弁護士資格があれば、以下の資格を登録できます。
- 行政書士
- 司法書士
- 税理士
- 弁理士
- 社会保険労務士
弁護士になるためのステップは以下のとおりです。
- 法科大学院を修了もしくは司法試験予備試験に合格
- 司法試験に合格
- 約1年間の研修(司法修習)を実施
司法試験の合格に必要な勉強時間は5,000時間以上と言われ、働きながら弁護士資格を取得するのは困難です。
» 行政書士と弁護士の違いとは?ケース別に徹底解説
司法書士

司法書士は不動産や会社の登記手続きを専門に行う国家資格です。独占業務がある司法書士は専門性が高いため、独立開業しやすい特徴があります。
司法書士の主な仕事は以下のとおりです。
- 不動産登記
- 商業登記
- 相続の手続き
- 成年後見
家や土地の名義変更(不動産登記)や会社の設立手続き(商業登記)は、司法書士のみ行える業務です。司法書士の合格率は毎年5%前後と難しい試験ですが、資格を取得すれば高収入を目指せます。司法書士と行政書士の業務と組み合わせると、顧客に提供できるサービスの幅が広がるメリットもあります。
» 行政書士と司法書士の違いを徹底解説!
行政書士
独立開業を目指す方におすすめの国家資格が行政書士です。行政書士は街の法律家と呼ばれ、以下のような仕事で人々の生活やビジネスに密着したサポートができます。
- 営業許可申請
- 会社設立
- 相続手続き
行政書士は法律系の国家資格の中では挑戦しやすく、働きながら合格を目指す社会人も多くいます。官公署へ提出する書類の作成や手続きの代行は行政書士の独占業務であり、扱える書類は1万種類以上と言われています。
行政書士の業務は幅広いため、専門分野を確立して他の事務所との差別化が必要です。行政書士は自分の裁量で働き方や収入を決められるため、自由度の高い職業でもあります。
» 行政書士資格のメリットから試験概要・仕事内容まで幅広く解説
弁理士

弁理士は発明やデザインなどの知的財産権を扱う国家資格です。新しい技術やアイデア、ブランド名などを権利として守るための手続きを弁理士が代理で行います。弁理士が担当できる権利は以下のとおりです。
- 特許
- 実用新案
- 意匠
- 商標
- 著作
技術的な知識も求められる弁理士は理系出身者が多く、法律系の資格の中では司法試験に次ぐ難しさと言われています。弁理士の合格率は低いものの、独立開業や会社での活躍、高収入が期待できます。
ビジネス実務法務検定
法律に関する知識が少なくても挑戦しやすいビジネス実務法務検定は、行政書士試験の勉強と現職で役立ちます。ビジネス実務法務検定では、行政書士試験の民法や会社法に当たる法律知識を学べます。行政書士試験よりもビジネス実務法務検定の難易度はやさしいため、法律学習の腕試しにもおすすめです。
ビジネス実務法務検定は東京商工会議所が主催しており、レベルは以下のとおりです。
- 3級:基礎的な知識レベル
- 2級:実務で使えるレベル
- 1級:応用・実践的なレベル
ビジネス実務法務検定は企業で働くうえで必要な法律知識も習得できるため、現職のスキルアップにもつながります。法律を守る意識(コンプライアンス)の重要性が社会で高まっているのにともない、ビジネス実務法務検定の需要も高まっています。
ビジネスコンプライアンス検定

ビジネスコンプライアンス検定は企業で働く人が知っておくべきコンプライアンスや企業倫理、リスク管理の基本知識を証明する資格です。行政書士の業務との関連性が高いビジネスコンプライアンス検定を取得すれば、将来の活躍の場を広げられます。
行政書士の試験範囲も含むビジネスコンプライアンス検定は、企業のコンプライアンス体制づくりの支援や顧問業務の実施に役立ちます。ビジネスコンプライアンス検定で問われる法律知識は以下のとおりです。
- 独占禁止法
- 下請法
- 個人情報保護法
他の行政書士との差別化を図るためにも、企業法務に強いことをアピールできるビジネスコンプライアンス検定の取得はおすすめです。ビジネスコンプライアンス検定は社会人全般が対象の初級と、法務担当者などが対象の上級があるため、自分のレベルに合わせて挑戦しましょう。
個人情報保護士
個人情報保護士は個人情報の取り扱いに関する専門知識を証明する資格です。企業のコンプライアンス意識が高まる現代において、個人情報保護士は需要のある資格です。
行政書士を目指す方が個人情報保護士を取得するメリットは以下のとおりです。
- 行政書士試験の内容を短期間で学習できる
- 顧客から信頼を得られる
- Pマーク(プライバシーマーク)の取得を支援できる
個人情報保護士で得られる個人情報保護法やマイナンバー法などの知識は、顧客の個人情報を扱う行政書士でも生かせます。個人情報保護士は行政書士試験の勉強と並行して取得しやすく、将来の業務の幅を広げられるためおすすめです。
知的財産管理技能検定
知的財産管理技能検定は特許や著作権などの知的財産の管理スキルを証明する国家資格です。行政書士の業務には知的財産に関連する仕事も含まれるため、知的財産管理技能検定の取得によって顧客から強い信頼を得られます。
知的財産管理技能検定が役立つ行政書士の業務は以下のとおりです。
- 著作権の登録業務
- 知的資産経営のコンサルティング
- 契約書や利用規約の作成業務
- 企業や個人事業主の知的財産支援
知的財産管理技能検定には3級から1級まであり、自分のレベルに合わせて挑戦できる点も魅力的です。比較的やさしい3級や2級は働きながらでも取得しやすいため、法律学習の初心者にもおすすめです。知的財産管理技能検定は行政書士として独立した際の強みとなり、他の専門家との差別化にも役立ちます。
働きながら法務資格に合格するための勉強方法2選

働きながら法務資格に合格するための勉強方法は以下のとおりです。
- 効率的な学習方法で独学する
- オンライン講座や予備校を活用する
効率的な学習方法で独学する
法務資格を独学で取得するには計画性と戦略が必要です。法務試験は範囲が広くて覚えるべき知識も膨大なため、合格するには重要なポイントに絞って学習する必要があります。
法務資格に合格するためのおすすめの勉強手順は以下のとおりです。
- 学習計画の立案
- 全体像の把握
- 過去問中心の学習
- 間違いの分析と復習
始めに試験日から逆算した学習計画を具体的に決めます。使用するテキストや問題集は1つに絞って何度も繰り返すと、効率良く学習を進められます。科目ごとの配点や出題頻度から学習の優先順位をつけて時間配分を決めましょう。行政書士試験であれば、配点の高い行政法と民法に学習時間を使うと効率的です。
テキストを完璧に理解する必要はなく、速いペースで読み進めて試験範囲の全体像を掴みましょう。過去問を解くことに重点を置き、知識のインプットとアウトプットを繰り返します。過去問演習では、すべての選択肢の正誤を理由とともに説明できるレベルが理想です。過去問で解答を間違えた場合、テキストの該当箇所を読み返して理解を深めましょう。
通勤中や昼休みなどのスキマ時間を使い、一問一答のテキストやアプリなどで知識を定着させる方法もおすすめです。定期的に模擬試験を受けると、時間配分の感覚や自分の弱点を把握できます。模擬試験の受験後は復習を欠かさないようにしましょう。効率の良い学習方法を習慣化して法務資格の合格を目指しましょう。
» 行政書士合格を目指す!試験の概要と効率的な勉強法
オンライン講座や予備校を活用する
働きながら短期間で法務資格の合格を目指す方や独学が不安な方には、オンライン講座や予備校の活用がおすすめです。オンライン講座や予備校を活用するメリットは以下のとおりです。
- 効率的な学習カリキュラムがある
- 最新の法改正や試験の出題傾向に対応できる
- 学習時間を短縮できる
- 専門講師の解説を聞ける
- 疑問をすぐに解決できる
- モチベーションを維持できる
オンライン講座や予備校を活用すれば、学習の質と効率が向上しやすいメリットがあります。時間がない社会人にとって、オンライン講座や予備校の活用は法務資格の合格への近道と言えます。
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法務資格に関するよくある質問

法務資格に関するよくある質問は以下のとおりです。
- 法務資格がないと法務の仕事はできない?
- 法務の仕事に最適な資格はどれ?
- 資格の取得にかかる時間はどれくらい?
- 法務職に将来性はある?
法務資格がないと法務の仕事はできない?
法務資格がなくても基本的な法務の仕事であれば就けます。ただし、行政書士や弁護士などの独占業務には資格がないと担当できません。法務資格がなくても担当できる場合がある業務は以下のとおりです。
- 契約書のチェック
- 社内ルールの確認
- 法務調査
- 登記や申請の補助
- 法務に関するクレームや紛争の対応
「資格は問いません」や「未経験者歓迎」と記載された求人であれば、法務資格は必要ありません。未経験から法務の仕事を目指す方やキャリアアップしたい方は、必要に応じて法務資格の取得を目指しましょう。
法務の仕事に最適な資格はどれ?

将来どのような働き方をしたいかによって最適な法務資格は異なります。法務の仕事は幅広いため、求められる専門知識もさまざまです。法務資格に向いている人の特徴の例は以下のとおりです。
| 法務資格 | 向いている人の特徴の例 |
| 司法書士 | 不動産や会社の登記などを担当したい |
| 行政書士 | 独立開業して役所への手続きを担当したい |
| 弁理士・知的財産管理技能検定 | メーカーやIT企業の知的財産を担当したい |
| ビジネス実務法務検定 | 企業の法務部門で働きたい |
| ビジネスコンプライアンス検定・個人情報保護士 | コンプライアンスや個人情報保護の分野で活躍したい |
最適な法務資格を見つけるために、自分がどのような法務の専門家になりたいかを考えてみましょう。
資格の取得にかかる時間はどれくらい?
法務資格によって難易度が異なるため、取得にかかる時間も異なります。主な法務資格の勉強時間の目安は以下のとおりです。
- 弁護士(司法試験):5,000〜10,000時間以上
- 司法書士:3,000時間以上
- 行政書士:600〜1,000時間
- ビジネス実務法務検定2級:50〜100時間
- 個人情報保護士:30〜50時間
法務資格の合格に必要な勉強時間は人によって異なるため、自分の状況に合わせて無理のない学習計画を立てましょう。
» 勉強時間はどれくらい?行政書士になるための勉強法を解説!
法務職に将来性はある?
AI技術や社会の変化が激しくても、法務職の需要は高まっていくと考えられます。書類作成などの単純作業はAIが担う一方で、複雑な状況判断や新しい戦略の考案には専門家が欠かせません。法務業務には解釈が分かれる条文などのあいまいな事例も多く、AIがすべての法務業務を担うのは困難です。
社会のコンプライアンス意識の高まりにより、企業が法律やルールを守る重要性は増しており、法務職の役割も大きくなっています。グローバル化やデジタル化によって法務職の業務が増えていることも、法務職がなくならない理由の一つです。
今後も活躍の場が広がり続けると予測される法務職は、将来性の高い仕事と言えます。
» 行政書士の現状と将来性が期待される業務を紹介
行政書士の資格はスキルアップの1つ

法務資格を取得するメリットは以下のとおりです。
- スキルアップできる
- 知識やスキルの証明になる
- 学習意欲の高さが評価される
法務資格を取得すれば、今のキャリアを大きく変えられます。行政書士以外の法務資格であっても、行政書士の業務に生かせます。働きながら法務資格に合格するための勉強方法は以下のとおりです。
- 効率的な学習方法で独学する
- オンライン講座や予備校を活用する
短期間で法務資格の取得を目指したい方や独学が不安な方は、オンライン講座や予備校を利用しましょう。オンライン講座や予備校を活用すれば、独学よりも効率良く学習を進められます。
キャリアプランに合う法務資格を取得して理想の働き方を目指しましょう。
» 法律資格の種類や取得メリットを徹底解説!



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