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行政書士試験の基礎知識は、勉強範囲が広く、対策の終わりを決めにくい科目です。
一般知識、行政書士関連法令、情報通信・個人情報保護、文章理解と性質の違う分野が含まれているうえ、基礎知識には独立した合格基準があります。
そのため、
- ニュースを毎日見た方がいいのか
- 政治・経済・社会をどこまで覚えればいいのか
- 文章理解は対策できるのか
- 情報通信や個人情報保護は得点源にすべきなのか
- 基礎知識にどれだけ時間を使えばいいのか
と迷いやすくなります。
この記事では、先に答えを出します。
行政書士試験の基礎知識は、次の順番で対策してください。
- 文章理解は必ず練習する
- 行政書士関連法令は基本教材と問題演習で固める
- 情報通信・個人情報保護は用語と制度の違いを比較して覚える
- 一般知識は基本教材と過去問を軸にし、深追いしない
- 足切りを避ける状態を作ったら、行政法・民法へ時間を戻す
これは行政書士試験研究センターが示す公式な「学習優先順位」ではありません。
現在の公式試験範囲を前提に、このブログでおすすめする標準ルートです。
基礎知識を捨てない。しかし、全範囲を制圧しようともしない。方針です。
2024年度に「一般知識等」から「基礎知識」へ名称が変わった経緯は、行政書士試験の一般知識は「基礎知識」へ|2024年度の変更点と現在の試験範囲で整理しています。
基礎知識は「足切りを避けるところまで」を先に作る
基礎知識の最初の目的は、満点を狙うことではありません。
独立した合格基準を下回らない状態を作ることです。
2026年度の行政書士試験案内では、合格には次の3条件をすべて満たす必要があります。
- 法令等科目で満点の50%以上
- 基礎知識科目で満点の40%以上
- 試験全体で満点の60%以上
つまり、行政法や民法で点を取れていても、基礎知識の基準を下回れば合格条件を満たせません。
一方、基礎知識だけを完璧にしても、法令等や総合点の基準を満たせなければ合格できません。
だから、このブログでは基礎知識を次のように扱います。
足切りを避ける状態までは確実に作る。それ以上の追加投入は、行政法・民法を削ってまで行わない。
これが基本方針です。
全科目の優先順位については、行政書士試験の科目別優先順位|行政法・民法を主戦場にする理由も確認してください。
現在の基礎知識は4分野・14題
行政書士試験では、基礎知識の出題は14題、択一式です。
出題範囲は次の4領域です。
- 一般知識
- 行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令
- 情報通信・個人情報保護
- 文章理解
最新年度の正式な範囲は、行政書士試験研究センターの試験案内を基準にしてください。
なお、2024年度から科目全体の名称は「行政書士の業務に関連する一般知識等」から「行政書士の業務に関し必要な基礎知識」へ変わりましたが、現在の基礎知識の内部にも「一般知識」という分野は残っています。
名称変更と現在の試験範囲を混同しないようにしてください。
最優先は文章理解|後回しにせず必ず練習する
基礎知識対策で、まず継続してほしいのが文章理解です。
文章理解は「国語のセンスだから仕方がない」と捨てないでください。
一般知識のように、際限なく知識範囲を広げる分野とは性質が違います。
問題文があり、その文章の中から根拠を探して選択肢を判断します。
つまり、再現性のある勉強ができるのです。
接続詞を見る
「しかし」「つまり」「一方で」「したがって」などの接続詞は、文章の方向を判断する手掛かりになります。
接続詞の前後が、逆接なのか、要約なのか、因果なのかを確認してください。
指示語の参照先を確認する
「これ」「それ」「このこと」などの指示語が何を指しているのかを曖昧にしません。
指示語の参照先を取り違えるだけで、その後の文章全体を逆に読むことがあります。
筆者の主張と具体例を分ける
具体例が長く続くと、そこが文章の結論のように見えることがあります。
しかし、具体例は主張を説明するための材料かもしれません。
段落ごとに、
- 主張
- 理由
- 具体例
- 反対意見
- 結論
のどの役割なのかを確認します。
選択肢の根拠を本文中から示す
文章理解を解いたら、正解・不正解だけで終わらせません。
「本文のどこを根拠にこの選択肢を選んだか」を確認してください。
間違えた場合も、
- 指示語の参照先を間違えた
- 接続関係を逆に読んだ
- 具体例を主張と判断した
- 本文より強い表現の選択肢を選んだ
など、読み違えた場所まで確認します。
文章理解は必ず問題演習を続け、根拠を説明できる読み方へ修正してください。
行政書士関連法令は基本教材で確実に拾う
次に優先するのが、行政書士法等行政書士業務と密接に関連する諸法令です。
2024年度から、この分野から毎年1題以上出題することが明記されています。
ここは捨てずに、現在の教材に収録されている基本事項を確実に押さえてください。
やることはシンプルです。
- 現在使っている基本テキストが基礎知識の現行範囲へ対応しているか確認する
- 該当部分を読む
- 問題演習をする
- 間違えた制度・要件へ戻る
古い「一般知識」教材を使っている場合は、名称ではなく、現在必要な行政書士関連法令が収録されているかを確認してください。
また、法令を扱う以上、受験年度の法令基準日への対応も必要です。
2024年度の変更については、一般知識から基礎知識へ何が変わったのかで詳しく説明しています。
情報通信・個人情報保護は「違い」を覚える
情報通信・個人情報保護も、後回しにしません。
この分野は、単語を一つずつ覚えるより、似た制度・用語の違いを比較して覚えてください。
問題を間違えたら、次の4点を並べます。
- その用語・制度の意味
- 何を対象にしているか
- 誰に義務や権限があるか
- 似た制度と何が違うか
例えばAとBを混同したなら、Aだけをもう一度覚えるのではありません。
AとBを横に並べて、違う部分を確認します。
この方法なら、「知っている言葉なのに選択肢で迷う」という失点を減らしやすくなります。
逆に、情報通信・個人情報保護について巨大なまとめノートを最初から作る必要はありません。
実際に間違えたもの、混同したものだけ比較してください。
一般知識は深追いしない
基礎知識対策で最も範囲を広げやすいのが一般知識です。
ここは方針を明確にします。
一般知識は深追いしません。
知らない問題が出たからといって、そのたびに新しい学習分野を追加しないでください。
政治、経済、社会、時事的なテーマなど、対象を広げ始めると終わりがなくなります。
一般知識でやることは、次の3つに絞ります。
- 基本教材に載っている範囲を押さえる
- 過去問・問題演習で触れた基本事項を復習する
- 繰り返し間違える領域だけ補う
これで十分です。
一般知識の問題を一問知らなかったからといって、
- 新しい時事問題集を追加する
- ニュースサイトを毎日巡回する
- 政治経済の専門書を読む
- 知らない用語を全部ノートへ追加する
という方向へ進まないでください。
その時間は、行政法・民法の反復から奪われます。
一般知識は「知らない問題をなくす」のではなく、「基本教材と問題演習で拾える範囲を落とさない」ことを優先します。
基礎知識はこの順番で毎週回す
では、実際にどう運用するか。
標準形を示します。
- 文章理解の問題を定期的に解く
- 行政書士関連法令を基本教材と問題で確認する
- 情報通信・個人情報保護の誤答を比較して直す
- 一般知識は過去問・基本教材で触れた範囲だけ復習する
- 基礎知識全体の演習を行い、足切り状態になっていないか確認する
- 問題なければ行政法・民法へ戻る
毎日すべての分野をやる必要はありません。
ただし、文章理解を何週間も放置したり、基礎知識全体を長期間ゼロにしたりしないでください。
例えば一週間の中で、
- 文章理解を1~2回解く
- 行政書士関連法令または情報通信・個人情報保護を1テーマ復習する
- 一般知識は問題演習で出てきた範囲だけ確認する
程度から始めれば構いません。
これは全受験生に共通する公式時間配分ではなく、このブログで勧める標準運用です。
まずこの形で回してください。
過去問は「何問正解したか」だけで終わらせない
基礎知識でも過去問・問題演習は必要です。
ただし、過去問で出た一般知識を全部暗記するためではありません。
見るのは、どこで失点したかです。
| 失点 | 修正 |
|---|---|
| 文章理解で根拠を取れない | 接続詞・指示語・前後関係を確認する |
| 行政書士関連法令を知らない | 基本教材の該当部分へ戻る |
| 情報通信等の用語を混同した | 似た制度を比較する |
| 一般知識の基本事項を忘れていた | 基本教材へ戻る |
| 一般知識の単発的な未知事項 | 原則として深追いしない |
特に最後が重要です。
知らない一般知識が一問出るたびに、勉強範囲を増やさないでください。
過去問の使い方については、行政書士試験の過去問は何回解く?回数より誤答原因を見る方法も参考にしてください。
基礎知識へ追加時間を使うのは、基準を割る危険があるときだけ
基礎知識に追加時間を使う条件も決めておきます。
問題演習や模試で基礎知識の合格基準を下回る危険が続いているときは、基礎知識へ一時的に時間を追加してください。
ただし、追加するときも基礎知識全体をやり直しません。
失点が続いている場所を一つ選びます。
- 文章理解なら、根拠を取る練習を増やす
- 行政書士関連法令なら、基本事項へ戻る
- 情報通信・個人情報保護なら、混同している用語を比較する
- 一般知識なら、基本教材内の弱点だけ戻る
一度に全部増やさないでください。
そして改善したら、追加対策を終わります。
基礎知識の追加対策はここで止める
基礎知識には「完成」がありません。
だから、停止条件を先に持ちます。
次の状態まで来たら、基礎知識への追加投入を止めてください。
- 文章理解で、選択肢の根拠を本文から説明できる
- 行政書士関連法令の基本事項を問題で判断できる
- 情報通信・個人情報保護で繰り返していた混同が減った
- 基本教材内の一般知識を大きく落としていない
- 問題演習・模試で足切り基準を大きく割る状態から抜けた
この状態になったら、まだ知らない一般知識が残っていても追いかけません。
行政法・民法へ戻ってください。
行政法・民法への最低接触を維持する方法は、行政書士試験の行政法・民法の勉強時間配分|偏らない計画の作り方で整理しています。
足切りが怖くても、ニュースと教材を増やさない
基礎知識の怖さは、範囲が見えにくいことにあります。
だから、知らない問題を見るたびに、
- もっとニュースを見よう
- 時事問題集を買おう
- 別の基礎知識教材もやろう
- 一般知識をもっと広く勉強しよう
と考えやすくなります。
やめてください。
足切りが怖いときほど、範囲を増やすのではなく、文章理解・行政書士関連法令・情報通信・個人情報保護の基本運用へ戻ります。
そして一般知識は深追いしません。
不安で学習範囲を広げ続けている場合は、行政書士試験の基礎知識が怖い人へ|足切り不安で崩れる構造を確認してください。
すでに基礎知識対策のために行政法・民法を削っている場合は、Case005|基礎知識対策を増やしすぎて主戦場を削るケースへ進んでください。
私も旧一般知識では「まず足切りを避ける」と考えた
私が行政書士試験を受験していた時も、一般知識で満点を取ることを目標にはしていませんでした。
6問・24点を目標として、まず足切りを避けることを優先していました。
現在の公式案内でも基礎知識は満点の40%以上というが合格基準です。
基礎知識を完璧にするのではなく、合格条件を守る状態を先に作り、その後は試験全体へ勉強時間を戻す。
これです。
基礎知識の勉強法についてよくある質問
基礎知識で最初に何を勉強すればいいですか?
まず文章理解の問題演習を始めてください。
並行して行政書士関連法令と情報通信・個人情報保護を基本教材で確認します。
一般知識は、基本教材と問題演習で触れた範囲を中心にし、深追いしません。
文章理解は必ず対策した方がいいですか?
このブログでは、必ず対策することをおすすめします。
接続詞・指示語・前後関係・段落の役割など、問題文の読み方を反復できるからです。
一般知識はどこまで勉強すればいいですか?
基本教材と過去問・問題演習で触れた基本事項までで構いません。
知らない単発知識が出るたびに、学習範囲を広げないでください。
ニュースは毎日見た方がいいですか?
行政書士試験対策として、ニュースを毎日追うことを必須にはしません。
一般知識のためにニュース収集が無制限になり、行政法・民法の時間を削る方が問題です。
基礎知識は何点取ればいいですか?
2026年度の公式案内では、基礎知識科目で満点の40%以上が合格条件です。
まずこの基準を下回らない状態を作ってください。
一般知識と基礎知識は違うのですか?
2024年度から科目全体の名称が「行政書士の業務に関連する一般知識等」から「行政書士の業務に関し必要な基礎知識」へ変更されました。
ただし、現在の基礎知識の出題分野の一つとして「一般知識」は残っており、大幅な変更ではありません。
詳しくは、2024年度の変更点の記事を確認してください。
まとめ|基礎知識はこの順番で進めればいい
行政書士試験の基礎知識で迷ったら、次の順番へ戻ってください。
- 文章理解は継続して問題を解く
- 行政書士関連法令は基本教材と問題演習で固める
- 情報通信・個人情報保護は、似た用語・制度を比較する
- 一般知識は基本教材と過去問を中心にして深追いしない
- 基礎知識全体の演習で足切りの危険を確認する
- 基準を下回る危険がある部分だけ追加対策する
- 改善したら行政法・民法へ戻る
知らない一般知識をすべて埋める必要はありません。
ニュースを無制限に追う必要もありません。
文章理解を「センス」で捨てる必要もありません。
基礎知識は、文章理解・行政書士関連法令・情報通信・個人情報保護を先に固め、一般知識は深追いしない。
足切りを避ける状態を作ったら、主戦場である行政法・民法へ戻る。
このルートで進めてください。
全科目の優先順位へ戻りたい場合は、行政書士試験の科目別優先順位へ進んでください。
基礎知識だけでなく、法令科目との配点と試験全体の構造を確認したい場合は、行政書士試験の内容へ戻ってください。