- 行政書士の職務経歴書の書き方がわからない
- 一般企業での経験が、行政書士事務所で生かせるのか不安に感じる
- 未経験のため、どう書けば自分をアピールできるのかわからない
働きながら行政書士を目指す方にとって、職務経歴書の書き方は大きな悩みの一つです。この記事では、未経験でも突破できる職務経歴書の書き方を項目別にわかりやすく解説し、実用的な記載例を紹介します。
行政書士事務所では、実務経験の有無だけでなく、幅広いスキルを評価する傾向があります。転職後も次のステップである独立開業を見据えて、今すぐ実践できる方法を学びましょう。
【項目別】行政書士の職務経歴書の書き方

行政書士の職務経歴書を作成するには、各項目ごとの評価ポイントを意識し、採用担当者に伝わる内容に仕上げることが大切です。ここでは、以下の項目別に職務経歴書の書き方を紹介します。
- 基本情報
- 職歴
- 実績
- 保有資格
- 自己PR
- 志望動機
基本情報
職務経歴書の基本情報は、採用担当者が最初に確認する項目です。誤記があると評価を落とす原因にもなるため、記載ミスには十分注意しましょう。具体的な基本情報の項目は以下のとおりです。
- 氏名
- ふりがな
- 生年月日(年齢)
- 現住所
- 電話番号
- メールアドレス
- 最終学歴(学校名、学部・学科名、卒業年月)
個人情報を書くときは、丁寧かつ正確に書くよう心がけてください。
職歴
会社員としての経験を効果的にアピールするため、職務経歴書では具体的な成果や身に付けたスキルを記載しましょう。以下の表に、書くべき内容をまとめました。
| 項目 | 内容 |
| 会社名 | 正式名称で記載 |
| 事業内容 | 会社の主力業務を一文で簡潔に説明 |
| 勤務期間 | 入社・退社年月日を記載 |
| 部署・役職 | 異動や昇進があれば時系列で記載 |
| 業務内容 | 担当していた仕事の概要や主な職務を記載 |
書類作成や顧客対応、法令確認などの経験は行政書士業務に役立つため、詳細なエピソードを交えて書きましょう。正確かつ具体的に書くと、未経験でもしっかり行政書士への適性を伝えられます。
実績

職務経歴書の実績欄では、具体的な数字を用いて自分の能力を積極的にアピールします。問題を解決した成果や会社への貢献度を記載します。企画書の作成や計画の立案、効率化のためのアイデア出しも実績として記載可能です。
会社全体で法律やルールを守るための仕組みづくりをした経験などがあれば、積極的に記載しましょう。働きながら行政書士試験に合格した場合、努力や学習の継続力も立派な実績となります。
保有資格
行政書士資格の他、業務に関連がない資格も職務経歴書の保有資格欄に記載しましょう。一見関係がないように思える資格でも、幅広い専門性をアピールでき、信頼の獲得につながります。以下は保有資格の一例です。
- 行政書士試験合格(取得年月日)
- 宅地建物取引士
- ファイナンシャル・プランニング技能士
- 日商簿記検定
- Microsoft Office Specialist (MOS)
- 普通自動車第一種運転免許
職務経歴書には、資格を取得したことで身に付けたスキルや、できるようになったことを記載すると効果的です。
自己PR

職務経歴書の自己PR欄では、行政書士業務に自分の強みをどう生かせるかを明確に伝えます。記載する内容の構成は以下のとおりです。
- 自分の強み(計画性、継続力、コミュニケーション能力)
- 自分の強みが行政書士業務にどう生かせるかの説明
- 強みを裏付ける具体的な経験やエピソード
- 行政書士として提供できる価値やサービス
働きながら合格した経験は、時間管理能力や継続的な学習姿勢の証明として強力なアピール材料になります。現職での顧客対応や書類作成の経験も、職務経歴書に記載しましょう。転職で培った実務経験は、将来の独立開業時にも重要な基盤になります。
志望動機
志望動機は、職務経歴書の志望動機欄で論理的に説明します。採用担当者が納得できる理由を示して、自分の本気度を伝えましょう。記載内容の構成は以下のとおりです。
- 行政書士を目指す明確な理由
- 行政書士を目指す理由に至った背景や経緯
- 現職での経験と行政書士業務の関連性
- 行政書士として実現したい将来のビジョン
働きながら合格を目指した理由についても、明確に記載すると効果的です。将来的な独立開業を目指している場合は、実務経験や専門性を身に付けたい意欲も伝えましょう。長期的な視野を持った志望動機として評価されやすくなります。
行政書士の職務経歴書の書き方のポイント

行政書士の職務経歴書では、採用担当者が情報を瞬時に把握できる構成や表現が重要です。採用担当者は限られた時間で多くの書類に目を通すため、読みやすく整理された書類ほど応募者の魅力が伝わりやすくなります。ここでは、魅力を伝える職務経歴書の書き方のポイントを詳しく解説します。
見やすいレイアウトとフォーマットを選ぶ
職務経歴書を魅力的に見せるには、一目で伝わる見た目も重要です。情報が整理されていて見やすいレイアウトは、採用担当者の目に留まりやすくなります。ポイントは以下のとおりです。
- A4用紙1~2枚に集約
- 読みやすいフォント(10.5〜11pt推奨)
- 余白の確保と見出しの活用
- 表や箇条書きによる情報整理
- 統一された書式とシンプルなデザイン
下書きが完成したら紙に印刷し、違和感がないか確認しましょう。
行政書士業務に関連するキーワードを意識して書く

職務経歴書では、行政書士の業務に関連するキーワードを意識すると採用担当者への信頼を得やすくなります。意識して盛り込むキーワードは以下のとおりです。
- 許認可申請
- 書類作成
- 官公庁対応
- 顧客相談
- 法令調査
- 契約書作成
- 会社設立支援
単にキーワードを並べるだけでなく、具体的なエピソードと組み合わせて記載しましょう。
数字や具体例を使って説得力をもたせる
自分の経験やスキルを示す具体的な数字を使うと、職務経歴書に説得力をもたせられます。数字は客観的な証拠となり、採用担当者に強い印象を与えるためです。数字を使った具体例は以下のとおりです。
- 具体例
- 「月平均50社の顧客対応を担当し、クレーム対応率5%以下を維持」
- 「年間200件の契約書を作成し、法的チェック漏れゼロを達成」
- 「業務効率化により作業時間を30%削減し、勉強時間を確保」
- 「働きながら毎日2時間の学習を2年間継続し、行政書士試験に合格」
ただし、数字には正確性が求められます。面接で詳細に答えられないと信頼関係に影響する可能性があります。推測ではなく、業務日誌や資料を見返して、確認できる内容を職務経歴書に記載しましょう。
誤字脱字を徹底的にチェックする

行政書士は正確性が求められる職業のため、職務経歴書のミスは致命的です。以下の方法で確実にチェックしましょう。
- 文書作成ソフトの校正機能を活用する
- 声に出して読み上げる
- 1日置いてから再確認する
- 印刷して最終チェックする(画面では気づかないミスを発見)
可能であれば第三者に職務経歴書のチェックを依頼すると、客観的な視点から誤りや改善点を指摘してもらえます。固有名詞や専門用語、同音異義語(「以外」と「意外」など)には注意しましょう。
各項目の内容に一貫性をもたせる
職務経歴書では、各項目がバラバラだと自分の魅力が十分に伝わらないため、一貫したストーリーを意識しましょう。職務経歴書に一貫性をもたせるためのポイントは以下のとおりです。
- 現在の職歴から転職理由、将来の目標を関連付ける
- 各項目で一貫したアピールポイントを強調する
- 「なぜ行政書士を目指すのか」「どのような行政書士になりたいのか」を明確に伝える
採用担当者が自然に納得できる流れを意識すると、説得力のある職務経歴書に仕上がります。
行政書士の職務経歴書の記載例

行政書士の職務経歴書では、経験やスキルの書き方が採用担当者の印象を大きく左右します。以下に、各項目の具体例を詳しく紹介します。
- 行政書士としての役割・職務内容の具体例
- 成果を強調する実績の具体例
- 自己PRと志望動機の具体例
行政書士としての役割・職務内容の具体例
行政書士は、法人設立や許認可申請、遺言書の作成支援など幅広い業務に携わります。複雑な役所への手続きも、行政書士が代行するとスムーズに目的を達成できます。
» 行政書士の仕事内容とは?業務内容から必要なスキルまで解説
行政書士の実務経験がある方は、担当した手続きやサポート内容を詳細に記載しましょう。「建設業許可申請を年間120件手がけ、90%の取得率を達成」といった具体的な実績を含めてください。
未経験の方は、行政書士が扱う業務から自分の職務経験と関連性の高い分野を把握しましょう。自分の強みと今後携わりたい業務や分野に関連付けて表現すると、説得力が増します。
成果を強調する実績の具体例

職務経歴書では、自分が過去にどのような成果を出してきたのかを数字や行動とセットで記載します。目標達成の意欲や効率化への貢献を示しましょう。具体例は以下のとおりです。
- 建設業許可申請の書類作成を毎月20件担当し、すべて納期内に提出
- 営業で前年比120%の売上達成
- 業務改善で月間約20時間の事務作業を削減
行政書士の実務経験がない場合でも、事務処理能力や対人スキルは十分にアピールできます。再現性のある成果や、課題にどう向き合ったかを具体的に伝えると実務への応用力や成長意欲を伝えられます。
自己PRと志望動機の具体例
自己PRと志望動機の欄では、これまでの仕事で培ったスキルや行動のうち、行政書士業務に生かせるものを選んで伝えましょう。自己PRの具体例を以下に示します。
- 傾聴力を生かし、顧客のニーズを正確に把握した
- 書類作成業務を正確かつ効率的に処理した
- 〇〇分野の専門行政書士として〇〇件の案件を手がけ、高い許可取得率を維持した
自己PRでは、具体的な数字や実績を盛り込むと効果的です。志望動機の具体例を以下に示します。
- 地域の中小企業の創業支援やサポートを通じて、地元経済の活性化に貢献したい
- 外国人のビザ申請を支援し、多文化共生に役立ちたい
志望動機では、行政書士を目指す理由と今後取り組みたい分野への興味や知識をアピールしましょう。これまでの経験や価値観にもとづいて説明すると、志望理由に説得力が生まれます。
行政書士の職務経歴書に関するよくある質問

行政書士の職務経歴書に関するよくある質問に回答をまとめました。職務経歴書を書く際に参考にしてください。
試用期間中の職歴を書く必要はある?
試用期間中の職歴も、省略せずに記載しましょう。行政書士は経歴に嘘があると信頼を損なう可能性があるため、たとえ短期間でも省略しないほうが無難です。社会保険に加入していた場合、履歴を確認されることもあります。
試用期間中に契約書の確認や役所への申請書類の作成を補助していれば、アピールポイントになります。職務経歴書の書き方に迷う場合は経歴として記載し、面接で前向きな理由を伝えられるよう準備しておきましょう。
職務経歴書は何枚以内に収めるべき?

職務経歴書は、原則として2枚以内に収めるのが適切です。限られた時間で確認されることを意識し、簡潔で読みやすい構成にしましょう。
アピールしたい職歴や実績が多い方でも、最大で3枚に収めるのが一般的です。職務経験が浅い場合や内容を簡潔にまとめられる場合は、1枚に収めても問題ありません。行政書士業務に関連する経験やスキルを中心に、情報を整理しましょう。
職務経歴書は手書きとパソコンどちらがいい?
職務経歴書はパソコンで作成しましょう。希望する行政書士事務所から「手書きで」などの特別な指示がない限りは、パソコン作成が基本です。パソコンで職務経歴書を作成すると以下のメリットがあります。
- 読みやすく修正もしやすい
- 採用担当者が見やすいレイアウトを作成できる
- 行政書士として必要なパソコンスキルをアピールできる
行政書士の業務では役所への提出書類をパソコンで作ることが多いため、職務経歴書の完成度からも実務能力が伝わります。
同じ職場で複数の業務を行った場合、すべて書くべき?

同じ職場で複数の業務を経験した場合は、原則としてすべて職務経歴書に記載します。業務の幅広さは対応力や視野の広さをアピールでき、行政書士の適性を伝えるポイントになります。
契約書のチェックや法務関連業務、顧客対応、書類作成の業務は詳細に記述して、自分の強みをしっかりと伝えましょう。応募先の行政書士事務所が求める人物像や業務内容に合わせて、重点的に伝える内容を選ぶことも効果的です。
職歴がない場合、どのように職務経歴書を書くべき?
職歴がない場合でも、職務経歴書で熱意や将来性を伝えることは可能です。まず、職歴欄には正直に「職歴なし」と記入します。次に以下の情報を詳細に記述し、自分の強みを伝えましょう。
- 学歴や資格、職業訓練歴
- 自己PR
- 職歴以外の経験(アルバイトやボランティアなど)から得たスキル
- パソコンスキルや語学力などの実務に役立つスキル
現在取得を目指して勉強中の資格も記入しましょう。行政書士として活躍したい前向きな姿勢をアピールできます。
職務経歴書は行政書士スキルも見られている

行政書士の職務経歴書は、項目ごとに押さえるポイントがあります。見やすいフォーマットを選び、行政書士業務に関連するキーワードを意識して、熱意をアピールしましょう。
職務経歴書の職歴欄では、数字や具体例を使って説得力をもたせると採用担当者の印象に残りやすくなります。最後まで気をぬかず誤字脱字を徹底的にチェックし、各項目の内容に一貫性をもたせてください。
行政書士の業務が未経験でも、これまでの仕事で培った経験やスキルは十分に生かせます。自己PRでは学んだスキルや学習への取り組みを、志望動機欄では行政書士として成長し社会に貢献したい意欲を伝えましょう。転職して行政書士の経験を積めば、独立開業への道も開きやすくなります。



コメント