行政書士試験の本番では、どうしても分からない問題が出ます。
知識を思い出せない。
二択まで絞ったけれど決めきれない。
どの選択肢もそれらしく見える。
そんなときに一番避けたいのは、
分かるまで考え続けることです。
一問に時間を使い続けると、後ろの問題を解く時間が減ります。
だから、解けない問題には処理順序を決めておきます。
- 知識と問題文の条件から判断する
- 新しい根拠が増えないなら保留する
- 明確に誤りだと説明できる肢だけ消去する
- 最後まで決められない場合だけ推測する
推測は最後です。
行政書士試験で使うべきなのは、正解を当てる裏ワザではありません。
確度の違う判断を分けて、時間を管理する手順です。
解けない問題は、考え続ける前に保留する

まず決めるのは、正解ではありません。
この問題に、今以上の時間を使う価値があるかです。
同じ選択肢を何度も読んでいる。
新しい根拠は増えていない。
でも、不安だからその場に残っている。
この状態なら、一度保留してください。
保留は諦めることではありません。
あとで戻るために、今は時間を守る判断です。
一問を完璧に処理することより、試験全体を最後まで解き切ることを優先します。
本番中に同じ問題の確認が止まらなくなった場合は、確認依存から決めた手順へ戻る方法も確認してください。
五肢択一は4段階で処理する

分からない五肢択一に出会ったときは、次の4段階で処理します。
1.知識と条件から正誤を判断する
最初に使うのは、当然ですが知識です。
問題文を読み、選択肢ごとに、
- この知識を知っているか
- この条件でそのルールが使えるか
- 原則なのか例外なのか
- 主体や時点が変わっていないか
を確認します。
まず正攻法で判断してください。
消去法も推測も、知識で判断できない部分を補うために使います。
2.新しい根拠が増えないなら保留する
考えても判断できない。
同じ選択肢を何度読んでも、新しい根拠が出てこない。
この状態なら、その場に残り続けません。
保留の印を付けて次へ進みます。
戻るタイミングは、試験前に決めておく方が安全です。
例えば、
- 択一を一巡した後
- 最後の見直し時間
- あらかじめ決めた時刻
などです。
「まだ分からないから残る」ではなく、「今は根拠が増えないから後で戻る」と判断してください。
3.明確に誤りと説明できる肢だけ消去する
どうしても正解肢を直接選べないときは、誤りだと判断できる肢を消します。
ただし、消去には理由が必要です。
例えば、
- この主体には権限がない
- この要件が一つ欠けている
- 原則と例外が逆になっている
- 時点が違う
と説明できる肢です。
一方で、
- 何となく変な文章
- 言い方が強すぎる気がする
- 見たことがない表現
という理由だけなら、消去ではなく推測に近くなります。
「消した」ではなく、「なぜ誤りだと判断したか」を説明できる肢だけ消してください。
4.最後まで決められない場合だけ推測する
知識でも決められない。
消去しても二択、三択が残る。
それでも最終的には解答を選ぶ必要があります。
この段階で初めて推測を使います。
ただし、ここで重要なのは、
推測を、知識と同じ確度で扱わないことです。
「これは根拠がある判断」
「これは最後の推測」
と区別してください。
消去法と「雰囲気で選ぶ」は違う
消去法という言葉は便利ですが、実際には二つの行動が混ざりやすいです。
一つは、根拠のある消去。
もう一つは、雰囲気による推測です。
例えば、
この選択肢は断定が強いから間違いだろう。
だけで切るのは危険です。
断定表現でも正しい場合はあります。
文章が長いから正解、短いから誤りといった判断も使いません。
表現の見た目ではなく、内容上どこが誤っているかを見てください。
問題文の「条件変更」を確認する
五肢択一で迷ったときは、知識そのものだけでなく、条件変更を見ます。
特に確認したいのは次の5つです。
- 主体
- 時点
- 原則と例外
- 必要条件
- 「正しい」「誤っている」の問題指示
例えば、知っている制度について書かれていても、主体が違えば結論が変わることがあります。
原則についての知識を、そのまま例外場面へ当てはめている場合もあります。
また、問題文が「誤っているもの」を聞いているのに、正しい肢を探してしまうこともあります。
知識を思い出すだけでなく、その知識を使える条件が保たれているか確認してください。
選択肢ごとの正誤根拠を確認する練習は、行政書士試験の五肢択一問題の解き方|選択肢ごとに根拠を確認する復習法で整理しています。
私の作問経験から言えること、言えないこと
私は教員として、選択式の問題を作った経験があります。
その中では、正しい説明を作った後に、一部の条件や表現を変えて誤答肢を作ることもありました。
この経験から、選択式問題を読むときに、
- どの語が変わっているか
- 条件がどこでずれているか
- 原則と例外が入れ替わっていないか
を見る習慣は役立つと考えています。
したがって、この経験から使うのは、
「選択肢のどこが正誤を分けているかを見る」という読み方だけです。
作問者の癖を当てる裏ワザとしては扱いません。
二択まで絞ったらどうするか
本番では、二択まで絞れるけれど決めきれない問題があります。
その場合も、まず根拠を確認します。
- 二つの肢の違いを一つ特定する
- 主体・時点・要件・例外を確認する
- 根拠が増えないなら保留する
- 最後に戻っても決まらなければ推測する
二択になったからといって、そこで長時間粘りません。
二択でも、判断材料が増えないなら保留対象です。
答えを変えるのは、新しい根拠が出たとき
見直しで答えを変えること自体は問題ありません。
ただし、理由を決めます。
新しい根拠を見つけたときだけ変える。
例えば、
- 主体の読み違いに気づいた
- 例外条件を見落としていた
- 条文知識を思い出した
なら変える理由があります。
一方で、
何となく最初の答えが不安になった。
だけなら、その不安を根拠にはしません。
模試で保留・消去・推測の順番を試す
この手順を本試験で初めて使わないでください。
公開模試や時間制限付きの問題演習で試します。
確認するのは、
- 解けない問題を保留できたか
- 一問に残り続けなかったか
- 消去した肢に根拠があったか
- 推測を知識と混同しなかったか
- 保留問題へ戻る時間を確保できたか
です。
点数だけを見るのではなく、処理手順が機能したかを確認します。
本番前に時間配分や保留手順を試す場合は、行政書士の公開模試を受ける目的と選び方も確認してください。
解けない問題についてよくある質問

消去法だけで行政書士試験に合格できますか?
消去法を知識の代わりにはしません。
まず知識と条件から判断し、分からない問題で補助的に使ってください。
二択まで絞ったら、どちらを選べばいいですか?
まず、二肢の違いを特定し、主体・時点・要件・例外などの根拠を確認します。
それでも判断できない場合は保留し、最後まで決められなければ推測します。
一問に何分考えるべきですか?
一律の時間は決めても意味がありません。
ただし、同じ確認を続けても新しい根拠が増えていないなら、一度保留してください。
自分の具体的な保留条件は、模試で解答速度を観測して決めます。
答えを変えてもいいですか?
新しい根拠が見つかった場合は変えて構いません。
不安になっただけなら、その不安だけを理由に答えを動かさないでください。
選択肢の言い回しから正解を推測できますか?
表現の強さ、文章の長さ、見慣れた言葉だけで正解を決める方法は、このブログでは勧めません。
条文問題は、言い切りの選択肢も多く、言い回しだけで判断するのは間違う可能性があるからです。
問題文の条件と知識を優先し、推測は最後の手段として使ってください。
まとめ|裏ワザではなく、確度と時間を管理する
行政書士試験で解けない問題が出たら、正解を当てる裏ワザを探さないでください。
使う手順は次の4段階です。
- 知識と条件から判断する
- 新しい根拠が増えなければ保留する
- 理由を説明できる肢だけ消去する
- 最後まで決められない場合だけ推測する
そして、判断の確度を分けます。
- 知識による判断
- 根拠のある消去
- 最後の推測
これらを同じ扱いにしないでください。
解けない一問に時間を奪われず、試験全体を最後まで処理する。
そのために保留を使います。
消去法は裏ワザではなく、根拠のある誤答肢を外す手順です。
そして、どうしても決められないときだけ推測します。
この順番を本番前の模試で一度使い、当日は新しく考えず同じ手順へ戻ってください。
本試験の出題形式、問題数、配点から時間の使い方を確認したい場合は、行政書士試験の内容へ戻ってください。