基礎知識の足切りが怖い。
だから、基礎知識を勉強する。
ここまでは間違っていません。
問題は、その不安から、
- ニュースを見る時間を増やす
- 時事問題集を追加する
- 基礎知識の教材を追加する
- 知らない一般知識をすべて調べる
- 行政法・民法の過去問を後回しにする
ところまで進んだときです。
この状態なら、一度止めてください。
基礎知識の足切りを避けるために、行政法・民法を削ってはいけません。
基礎知識は放置できません。
しかし、試験全体の主戦場まで削って基礎知識を完成させる必要もありません。
基礎知識には、すでにやることがあります。
- 文章理解を継続する
- 行政書士関連法令を基本教材で固める
- 情報通信・個人情報保護を比較して覚える
- 一般知識は深追いしない
- 足切りの危険が下がったら行政法・民法へ戻る
具体的な勉強方法は、行政書士試験の基礎知識の勉強法|足切りを避ける分野別対策と時間配分で整理しています。
この記事では、そこから外れて基礎知識へ時間を使いすぎたとき、どう主戦場へ戻るかを扱います。
基礎知識対策を増やしたこと自体が失敗ではない
まず、基礎知識へ時間を追加すること自体は間違いではありません。
問題演習で基礎知識が危険な状態なら、一時的に対策を増やす必要があります。
問題は、追加した対策に終了条件がないことです。
例えば、
基礎知識に自信がつくまで勉強する。
という目標を置くとします。
これでは終わりません。
一般知識には、まだ知らないことが必ず残るからです。
知らない問題を見る。
不安になる。
新しい情報を追加する。
さらに知らない範囲が見える。
この循環に入ると、基礎知識対策は膨らみ続けます。
足切り不安から主戦場を失う失敗連鎖
1.模試や過去問で知らない一般知識に出会う
始まりは、普通の不正解です。
基礎知識の問題を解いて、知らないテーマが出ます。
一問なら流せても、何問か続くと不安になります。
「このままでは足切りになるかもしれない」
そこで対策を増やしたくなります。
2.知らない範囲を埋めるために情報を増やす
まず増えやすいのが情報です。
- ニュース
- 時事情報
- 知らなかった政治・経済・社会の用語
- ネット上の予想論点
知らなかったことを一つずつ埋めます。
ところが、埋めても終わりません。
次の問題では、また別の知らない話題が出ます。
ここで、
「知らない問題がある」ことと「足切り対策が不足している」ことを同じものとして扱い始めます。
3.情報だけでは不安なので教材を増やす
情報を追っても不安が消えない。
すると次に、教材を増やします。
- 基礎知識の問題集
- 時事対策教材
- 文章理解教材
- 予想問題
- 直前対策資料
教材を買った直後は、やることが増えたため安心できます。
しかし、勉強時間は増えていません。
新しい教材を入れれば、その時間はどこかから持ってくる必要があります。
4.基礎知識へ時間を寄せる
そこで、基礎知識の勉強時間を増やします。
「今週だけ」
「足切りが安定するまで」
と考えます。
しかし終了条件がないため、重点化が続きます。
文章理解もやる。
情報通信もやる。
一般知識も増やす。
さらにニュースも見る。
基礎知識だけで、毎日の学習時間が埋まり始めます。
5.行政法・民法の反復を削る
時間が足りなくなったとき、こう考えます。
行政法はある程度できているから、今日は基礎知識を優先しよう。
一日だけなら問題ありません。
しかし、これが続くと行政法・民法への接触が薄くなります。
過去問を解かなくなる。
以前の誤答へ戻らなくなる。
覚えていた知識を忘れる。
判断の再現性が落ちる。
これで、基礎知識を守るために主戦場を弱くしている状態になります。
隠れている判断ミスは「基礎知識を重視したこと」ではない
このケースで間違っているのは、基礎知識を重視したことではありません。
基礎知識には独立した合格基準があります。
放置してはいけません。
判断ミスは、
- 知らない一般知識を全部埋めようとした
- 不安が消えるまで対策を続けようとした
- 追加した情報や教材に上限を置かなかった
- 行政法・民法の最低接触を決めなかった
ことです。
必要なのは「基礎知識をやるか、やらないか」という判断ではありません。
どこまでやったら主戦場へ戻るのかを決めることです。
基礎知識へ時間を使いすぎているサイン
次の状態が複数あるなら、基礎知識の学力より先に配分を直してください。
- 毎日ニュースや時事情報を確認している
- 知らない一般知識を見つけるたびに調べている
- 基礎知識用の教材が増え続けている
- 買った教材を全部終えることが目的になっている
- 行政法・民法の過去問を数日以上後回しにしている
- 基礎知識へ何時間使ったかは分かるが、いつ重点対策を終えるか決まっていない
- 基礎知識の不安がなくなることを終了条件にしている
特に、
「行政法・民法をやる時間がない」
ところまで来ているなら、すでに調整が必要です。
基礎知識を捨てる必要はありません。
追加対策を止めて、標準運用へ戻します。
このケースから戻るときは、まず新しい追加を止める
基礎知識へ時間を使いすぎているなら、最初にすることは簡単です。
新しい情報と教材を追加するのを止めてください。
今すぐ基礎知識の勉強を全部やめるという意味ではありません。
「さらに増やすこと」を止めます。
- 新しい問題集を買わない
- 新しい時事対策を追加しない
- 新しいニュース巡回を増やさない
- 知らない一般知識をすべて調べない
まず、現在持っている教材と問題演習だけに戻します。
次に、行政法・民法への接触を復活させる
追加を止めたら、次に行政法・民法へ戻ります。
翌週からではなく、次の学習単位から戻してください。
いきなり長時間やる必要はありません。
まず、
- 以前間違えた行政法の問題へ戻る
- 民法の過去問を再開する
- 最後に止まっていた主教材の場所へ戻る
など、途切れた反復線をつなぎ直します。
「基礎知識を完成させてから行政法・民法へ戻る」と考えないでください。
基礎知識には完成地点がありません。
行政法・民法を主戦場に置く理由は、行政書士試験の科目別優先順位で確認できます。
基礎知識は標準ルートだけ残す
行政法・民法へ戻した後も、基礎知識をゼロにはしません。
残すのは標準ルートです。
- 文章理解を継続する
- 行政書士関連法令の基本を確認する
- 情報通信・個人情報保護の誤答を比較して直す
- 一般知識は基本教材・問題演習の範囲にとどめる
これ以上の具体的な分野別対策は、基礎知識の勉強法正本へ戻ってください。
Case記事側で、新しい対策を増やしません。
基礎知識へ勉強時間を追加してよい条件
一度主戦場へ戻した後でも、基礎知識が再び危険になることはあります。
そのときは追加対策をして構いません。
ただし、条件を固定します。
問題演習や模試で基礎知識の合格基準を下回る危険が続き、具体的な失点原因を特定できたときだけ追加します。
例えば、
- 文章理解で同じ読み違いを繰り返す
- 行政書士関連法令の基本事項を落としている
- 情報通信・個人情報保護で同じ用語を混同する
なら、その部分だけ追加します。
「基礎知識が怖いから」では追加しません。
追加対策は、直した失点原因が改善したら終了する
基礎知識へ追加時間を使うときは、始める前に終わりも決めます。
停止条件は、
「自信がついた」
ではありません。
「不安がなくなった」
でもありません。
重点対象にした失点原因が改善したら終了です。
文章理解の読み違いが減った。
用語混同が減った。
行政書士関連法令の基本を判断できるようになった。
そこで基礎知識への追加投入を止めます。
まだ知らない一般知識があっても構いません。
主戦場へ戻ってください。
このケースでやらなくてよいこと
- 基礎知識を全部捨てる
- 一般知識を完全に覚える
- ニュースを毎日追うことを義務にする
- 基礎知識用の教材をさらに増やす
- 基礎知識を完成させてから行政法・民法へ戻る
- 足切りへの不安が消えるまで重点対策を続ける
このケースから抜けるために、極端な方向転換は必要ありません。
基礎知識をゼロにするのではなく、増えすぎた部分を切って標準運用へ戻します。
足切りが怖くてまた増やしたくなったら
行政法・民法へ戻しても、知らない基礎知識の問題を見ると再び不安になることがあります。
そのたびに教材や情報を増やしていたら、同じ状態へ戻ります。
そのときは、
「この不正解を直すために本当に新しい範囲が必要なのか」
ではなく、もっと単純に、
「標準ルートから外れていないか」
を確認してください。
不安から範囲を増やす構造そのものは、行政書士試験の基礎知識が怖い人へ|足切り不安で崩れる構造で整理しています。
まとめ|足切りを守るために、主戦場を壊さない
基礎知識の足切りを警戒することは間違いではありません。
問題は、その不安から対策を増やし続けることです。
このケースでは、
知らない問題に出会う
↓
情報を増やす
↓
教材を増やす
↓
基礎知識へ時間を寄せる
↓
行政法・民法の反復が止まる
という順番で崩れます。
すでにここまで来ているなら、戻し方も決まっています。
- 新しい情報・教材の追加を止める
- 行政法・民法の反復をすぐ再開する
- 基礎知識は標準ルートだけ残す
- 追加対策は具体的な失点原因があるときだけ行う
- その原因が改善したら追加対策を終了する
基礎知識を捨てる必要はありません。
しかし、足切りを避けるために行政法・民法を削る必要もありません。
基礎知識は合格条件を守るところまで。
その状態を作ったら、主戦場へ戻ってください。
全科目の優先順位をもう一度立て直す場合は、行政書士試験の科目別優先順位へ戻りましょう。
科目や得点への反応以外にも、計画・問題演習・情報収集で学習が崩れる場合があります。自分に近い原因を見直す場合は、行政書士試験の失敗パターン総合案内から一つ選んでください。