【Case012】他人の進捗を見るたび計画を変えた人へ|他人基準で学習線が崩れるケース

【Case012】他人の進捗を見るたび計画を変えた人へ|他人基準で学習線が崩れるケース

他人の進捗を見ると、なぜ計画を変えたくなるのか

行政書士試験の勉強をしていると、SNSや合格体験記で他の受験生の進捗を見ることがあります。

「もうこの教材を終えた」

「今日はこれだけ勉強した」

「この時期にはここまで進んでいた」

そんな情報を見ると、

「自分は遅れているのではないか」

と焦ることがあります。

その焦り自体は、不自然ではありません。

しかし、

他人より遅れているように見えることだけを理由に、自分の計画を変える必要はありません。

学習を始めた時期。

一日に使える時間。

これまでの学習経験。

使っている教材。

得意な科目と苦手な科目。

こうした条件が違えば、同じ時期でも進捗量は変わります。

だから、他人の進捗を見るときに必要なのは、

「自分より進んでいるか」

だけではありません。

その人と自分では、何の条件が違うのか。

そして、

自分の計画を変える根拠が、自分自身の状態にもあるのか。

を確認します。

他人と比較すること自体が苦しくなっている場合は、こちらの記事で一般的な構造を整理しています。

「行政書士試験で『比較して苦しくなる人』へ|他人基準で崩れる構造」

他人基準で学習線が崩れる失敗連鎖

他人の勉強を参考にすること自体は悪くありません。

問題は、

他人の進捗を見た直後に、自分の計画まで動かすこと

です。

学習量だけが見える

SNSや合格体験記では、

  • 勉強時間
  • 教材の冊数
  • 終わった範囲
  • 過去問の進捗

などが見えやすくなります。

数字や教材名は比較しやすいため、

「自分よりかなり進んでいる」

と感じやすくなります。

しかし、見えない条件もあります。

たとえば、

  • いつ勉強を始めたのか
  • どれだけ学習時間を確保できるのか
  • 過去に法律を勉強した経験があるのか
  • どの科目が得意なのか
  • どこまで理解した状態で進んでいるのか

といったことです。

つまり、

見えている進捗量だけでは、同じ条件で比較できているとは限りません。

遅れを危険信号へ変える

条件差を確認しないまま比較すると、

「自分のほうが遅れている」

という事実だけが強く見えます。

そして、

「このままでは間に合わない」

「今の計画は間違っている」

「もっと勉強量を増やさなければ」

と解釈します。

しかし、

他人より進んでいないことと、

自分の現在の計画が機能していないことは別です。

自分の計画が実際に崩れているなら、修正は必要です。

ただし、その判断には、

自分の誤答。

反復状況。

可処分時間。

予定と実績の差。

といった、自分側の情報も必要です。

教材・配分・期限を変更する

焦りが強くなると、具体的な変更が始まります。

他人が使っている教材を追加する。

同じ時期までに同じ範囲を終えようとする。

苦手科目の時間を急に増やす。

勉強時間を増やす。

そして、別の人の進捗を見れば、また計画を変えます。

すると、

計画変更の理由が、自分の状態ではなく、最後に見た他人の情報によって変わる

ようになります。

この状態になると、以前の計画が有効だったかどうかも検証できません。

変更する。

少し運用する。

別の情報を見る。

また変更する。

これを繰り返すため、自分の学習データが蓄積されません。

隠れている判断ミスは「比較したこと」ではない

このケースで問題なのは、他人の勉強を見ることではありません。

問題は、

比較した情報を、そのまま自分への指示へ変えてしまったこと

です。

条件差を消した

他人の進捗をそのまま基準にすると、

「相手と自分は同じ条件で勉強している」

という前提になります。

しかし、実際には条件が違う可能性があります。

開始時期が違う。

使える時間が違う。

得意不得意が違う。

教材も違う。

それでも、

「相手がここまで進んでいるから、自分も進まなければ」

とすると、条件差が消えます。

必要なのは、

進捗を見る前に、比較できる条件なのかを確認すること

です。

他人の出力を、自分の入力目標へ変えた

他人が、

「過去問をここまで終えた」

と書いていたとします。

それは、その人の結果です。

しかし、それを見て、

「自分も同じ日までにそこまで終えなければ」

と考えると、

相手の結果をそのまま自分の目標へ変換したことになります。

本来、自分の計画は、

自分が使える時間。

現在の理解度。

優先科目。

誤答状況。

などから作る必要があります。

他人の進捗は参考情報にはなりますが、

そのまま自分の期限になるわけではありません。

焦りを計画変更の十分条件にした

他人を見て焦ったとき、

すぐに何かを変えたくなることがあります。

しかし、

「焦った」

ことと、

「計画を変える必要がある」

ことも別です。

焦りは、

確認を始めるきっかけにはなります。

ただし、変更を決める前に、

自分側にも変える根拠があるかを確認します。

不安があることを前提に計画を運用する考え方については、こちらの記事でも整理しています。

「行政書士試験の不安は消えない|だから『不安前提』で設計する」

他人基準になっている観測サイン

比較そのものをやめる必要はありません。

ただし、次のような状態が複数続いているなら、

自分の計画ではなく他人基準で動いている可能性があります。

  • 他人の進捗を見た直後に教材や予定を変更する
  • 計画を変える理由に、自分の誤答や復習状況が入っていない
  • 比較相手がいつ勉強を始めたのか知らない
  • 相手の可処分時間や学習経験を知らない
  • 自分の計画を評価する確認日がない
  • SNSを見た日だけ予定量が増える
  • 比較する相手が変わるたび、優先順位も変わる

ここで見るべきなのは、

「他人を見てはいけない」

ということではありません。

比較情報が、自分の計画変更へ直接つながっていないか、です。

比較を、計画変更ではなく観測へ使う

他人の進捗を見て焦ったら、

すぐに計画を変える前に、一度情報を分けます。

条件差を確認する

まず、比較している相手との条件差を確認します。

たとえば、

  • 学習開始時点
  • 一日に使える時間
  • これまでの学習経験
  • 使用教材
  • 現在の弱点

です。

すべての条件を正確に知る必要はありません。

むしろ、

分からない条件が多いなら、

それだけ単純比較しにくい

と判断できます。

「相手はここまで進んでいる」

という情報だけで、自分の計画を修正しないようにします。

情報を三つに分ける

他人から得た情報は、そのまま採用せず、次の三つへ分けます。

今の計画を維持する

参考にはなったが、自分の状態を見る限り、今は変更しないものです。

次の観測点へ置く

気になる情報ではあるものの、今すぐ変える根拠はないものです。

次の過去問。

次の模試。

次の週次確認。

そこで自分にも同じ問題が出ているか確認します。

自分のデータから変更する

他人の情報を見たことがきっかけでも、

自分側にも問題が確認できた場合です。

たとえば、

「復習が遅れている」

という話を見て自分も確認した結果、

実際に同じ誤答を繰り返していた。

この場合は、自分側の根拠があります。

そこで初めて、計画変更を検討します。

変更は自分の状態へ接続する

計画を変える場合は、

理由を自分の状態で説明できるようにします。

たとえば、

「他の人が行政法を進めていたから」

ではなく、

「行政法の誤答が繰り返し再発しているため、復習周期を見直す」

という形です。

「みんな勉強時間が多いから」

ではなく、

「現在の予定量に対して使える時間が不足しているため、計画を調整する」

とします。

このように、

比較を変更理由にするのではなく、

比較を、自分の状態を確認するきっかけとして使う

わけです。

優先順位そのものが外部情報で動き続けている場合は、こちらの記事も参考になります。

「行政書士試験で優先順位が崩れる人へ|全部やろうとすると落ちる」

計画変更には観測期間を残す

一度計画を変えたら、すぐ別の情報で再変更しないようにします。

まず一定期間運用し、

自分が見たかった変化を確認します。

たとえば、

  • 同じ誤答が減ったか
  • 復習へ戻れるようになったか
  • 予定量と実際の可処分時間が合ってきたか
  • 主戦場の反復が続いているか

です。

ここで重要なのは、

「他人に追いついたか」

ではありません。

自分の学習状態が、変更前より改善したか

です。

比較対象を自分へ戻せば、計画変更の効果を検証できます。

このケースでやらなくてよいこと

他人との比較で苦しくなったからといって、次のようなことまでは必要ありません。

  • SNSや合格体験記を完全に見なくする
  • 他人の勉強方法を否定する
  • 他人の進捗を一切参考にしない
  • 焦りそのものを消そうとする
  • 他人が使っている教材をそのまま追加する
  • 比較するたび計画を作り直す
  • 他人と同じ勉強量を目標にする

必要なのは、

比較を禁止することではありません。

比較の用途を変えることです。

まとめ|比較は、他人になるために使わない

行政書士試験の勉強では、他の受験生の進捗を見る機会があります。

その情報が参考になることもあります。

しかし、

他人が自分より進んでいるように見えるからといって、それだけで自分の計画が間違っているとは言えません。

必要なのは、

まず条件差を見る。

次に、自分側の状態を確認する。

そして、自分側にも変更根拠があるときだけ計画を修正することです。

他人の進捗は、自分の遅れを証明しない。条件差を確認し、自分の状態を変える根拠があるときだけ計画を修正する。

最近、

「この人より遅れている」

と感じた相手がいるなら、

まず、

自分との条件差を三つ

書いてみてください。

そのうえで、

自分自身の誤答・反復・可処分時間の中に、計画を変える根拠があるか

を確認します。

一つの外部結果を見て複数の変更を同時に始めてしまう場合は、こちらの記事にも同じ問題が現れます。

「【Case004】模試後に教材・計画・科目配分を全部変えた人へ|修正効果を検証できなくなるケース」

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