行政書士試験の行政法・民法の勉強時間配分|偏らない計画の作り方

行政書士試験の行政法・民法の勉強時間配分|偏らない計画の作り方

行政書士試験では、行政法と民法を優先して勉強する。

ここまでは分かっていても、実際に勉強を始めると次の問題が出てきます。

  • 行政法と民法に、それぞれ何時間使えばいいのか
  • 行政法が苦手なら行政法だけ集中していいのか
  • 民法が進まないときは、いつまで民法を続けるのか
  • 片方を重点的に勉強すると、もう片方を忘れないか

このとき、「行政法60%・民法40%」のような固定比率を決めたくなるかもしれません。

しかし、私は行政法と民法の配分を一つの比率で固定しない方がよいと考えています。

必要な時間は、学習時期や現在の失点原因によって変わるからです。

重要なのは、

  • 両科目への最低接触を残す
  • その週の重点科目を一つ決める
  • 重点化を終える条件を先に決める
  • 週次で結果を観測して配分を修正する

ことです。

行政法と民法を主戦場にする理由そのものは、行政書士試験の科目別優先順位|行政法・民法を主戦場にする理由で整理しています。

この記事では、その次の段階として、二つの主戦場を週の中でどう維持し、偏ったときにどう戻すかを考えます。

行政法と民法は、片方を完成させてから進む科目ではない

行政法と民法の両方が重要だと分かると、

「まず行政法を完成させて、その後に民法へ進もう」

と考えたくなることがあります。

しかし、「完成」を待っていると、片方への接触が長期間なくなる可能性があります。

行政法も民法も、一度理解しただけで本試験まで再現できるとは限りません。

問題を解く。

間違える。

テキストへ戻る。

時間を空けて、もう一度確認する。

こうした反復が必要です。

そのため、行政法を重点的に勉強する週でも、民法を完全にゼロにはしません。

民法を重点的に勉強する週でも、行政法への接触を切りません。

「重点化」と「停止」は別です。

片方へ多く時間を使いながら、もう片方への最低接触を残します。

最初に行政法と民法の現在地を分けて観測する

時間配分を決める前に、まず二科目の状態を確認します。

単純に、

「行政法は60%正解、民法は40%正解」

だけを見るのではありません。

なぜ間違えているかを確認します。

知識を思い出せない

解説を読むと分かる。

テキストにも書いてある。

しかし、問題を見た瞬間には必要な知識が出てこない。

この場合は、新しい知識を増やすより、既に学んだ論点を思い出す練習が不足している可能性があります。

行政法なら、行政手続法、行政不服審査法、行政事件訴訟法などの違いを問題から再現できるか確認します。

行政法の分野別の整理方法は、行政書士試験の行政法勉強法|分野別の学習順序と過去問の使い方で詳しく扱います。

問題文の関係を読めない

特に民法では、知識を覚えていても問題文の関係を整理できず、正解できないことがあります。

誰と誰の間に法律関係があるのか。

契約はどうなっているのか。

誰が第三者なのか。

どの時点の法律関係を聞かれているのか。

ここが整理できなければ、条文や判例を知っていても使えません。

この場合は、暗記時間を増やすより、事案関係を読む練習へ時間を配る必要があります。

民法の読み方は、行政書士試験の民法勉強法で確認してください。

選択肢を切れない

論点は分かる。

何となく知識もある。

しかし、二つの選択肢で迷う。

この場合は、似た制度の比較や、要件・効果の整理が不足している可能性があります。

行政法なら、似た手続の違い。

民法なら、類似する制度や第三者関係の違い。

どこを根拠に選択肢を切るかまで確認します。

時間を空けると再現できない

先週は解けた。

しかし、2週間後に同じ論点を解くと迷う。

この状態なら、「一度理解したから完成」と判断するのは早いかもしれません。

重点科目だけではなく、もう片方へどのくらいの頻度で接触すれば再現度を維持できるかを確認します。

週の配分は「最低接触」と「重点枠」に分ける

行政法と民法の時間配分を考えるとき、最初から比率を固定する代わりに、私は二つの枠へ分けて考えることをおすすめします。

  • 最低接触:重点科目でなくても、再現度を落とさないために触れる時間
  • 重点枠:現在もっとも改善が必要な科目へ追加する時間

例えば一週間に10時間勉強できるとしても、

「行政法6時間、民法4時間」

と永久に固定する必要はありません。

行政法を重点化する週なら行政法が多くなります。

翌週、民法へ重点を移すこともあります。

ただし、重点化していない科目にも最低接触を残します。

両科目の最低接触を残す

最低接触の目的は、その週に大きく実力を伸ばすことではありません。

学習線を切らないことです。

例えば、行政法を重点化している週なら、民法では、

  • 以前間違えた問題を数問確認する
  • 基本論点を思い出す
  • 事案関係を読む問題を短く行う

といった接触を残します。

反対に民法重点週なら、行政法の過去問や前回の失点論点を短く確認します。

重要なのは、「今週重点ではない」を「今週ゼロ」に変えないことです。

今週の重点科目を一つ決める

最低接触を確保したうえで、残りの学習時間を重点科目へ配ります。

重点科目は、何となく苦手な方ではなく、現在もっとも改善価値が高い方を選びます。

例えば、

  • 行政法で基本的な制度を混同している
  • 民法で問題文の関係を毎回読み違える
  • 行政法を長期間触っておらず再現度が落ちた
  • 民法の基本論点が本試験形式で判断できない

といった状態です。

重点化の理由を一文で説明できるようにします。

今週は、民法の知識不足ではなく事案関係の読み違いが多いため、民法の問題演習を重点化する。

ここまで言えれば、「なんとなく苦手だから」の重点化から離れられます。

重点化の終了条件を先に決める

重点科目を決めるときに、同時に終了条件も決めます。

これがないと、重要科目だからという理由でいつまでも同じ科目へ時間を使うことになります。

例えば、

  • 同じ論点の基本問題で判断根拠を説明できるようになったら終了
  • 翌週の再確認でも再現できたら重点化を解除
  • 想定した期間で改善しなければ、原因を再診断する

といった条件です。

「行政法を得意科目にするまで」

「民法を完璧に理解するまで」

では終了地点が分かりません。

重点化には期限ではなく、観測できる解除条件を持たせます。

行政法が重要だからと時間を投入し続け、他科目とのバランスを崩すケースは、Case002|行政法ばかり勉強して配分が崩れるケースで確認してください。

行政法へ偏りすぎているサイン

行政法は重要なため、勉強時間を多く使うこと自体は問題ではありません。

問題は、「重要だから」という理由で配分修正が止まることです。

例えば次の状態なら、行政法への偏りを確認します。

  • 数週間、民法の問題演習をほとんどしていない
  • 行政法では細かい論点を追加しているのに、民法の基本問題を落とす
  • 行政法の正答率をさらに上げることだけが目標になっている
  • 民法を開くと、以前理解した論点をかなり忘れている
  • 「行政法は得点源だから」という理由だけで毎週行政法を重点化している

ここで見るのは、行政法に何時間使ったかだけではありません。

行政法へ時間を増やした結果、民法の再現度が落ちていないかを確認します。

行政法の改善量が小さくなっている一方で、民法の失点が大きいなら、配分を戻す余地があります。

民法へ戻る条件を事前に決める

行政法へ重点化するときは、民法へ戻る条件を先に決めておくと偏りにくくなります。

例えば、

  • 民法へ3日以上触れていなければ短時間でも勉強する
  • 週内に最低1回は民法の事案問題を解く
  • 前回解けた基本問題を再確認し、解答を再現できなければ民法の勉強時間を増やす
  • 週次レビューで民法の失点原因が増えていたら翌週の重点を変更する

という形です。

数字そのものは、自分の生活や学習状況に合わせて変えて構いません。

重要なのは、

「行政法が終わったら民法へ戻る」

ではなく、

「この状態になったら民法へ戻る」

と決めることです。

民法へ偏りすぎている場合も同じように戻す

もちろん、逆もあります。

民法が難しいと感じ、何週間も民法だけを続ける状態です。

民法は理解に時間がかかる場合があります。

そのため、「まだ理解できないから」と勉強時間を追加し続けやすくなります。

しかし、行政法への接触が切れれば、行政法で以前できていた判断が落ちる可能性があります。

そこで、民法を重点化するときも、

  • 行政法への最低勉強時間を残す
  • 民法の重点化対象を一つの失点原因へ絞る
  • 改善が確認できたら重点を解除する

という同じルールを使います。

「民法が苦手」という大きな単位ではなく、

「代理の事案関係を読み違える」

「解除の要件を思い出せない」

のように、改善対象を小さくします。

軽い科目へ逃げていないかも確認する

私は不合格だった年、行政法や民法が苦しくなると、別の科目や教材へ動いていました。

新しい範囲を勉強すると、進んでいる感覚を持ちやすいからです。

しかし、本来の失点原因が行政法や民法にあるのに、周辺科目へ時間を移しても問題は解決しません。

商法・会社法や基礎知識が不要という意味ではありません。

確認したいのは、

「今その科目を勉強している理由が、学習計画にあるのか、それとも行政法・民法から逃げたいだけなのか」

です。

周辺科目にも役割があります。

ただし、主戦場で解決すべき問題を残したまま、別科目を増やして安心しないようにします。

週次レビューで一度に変えるのは一項目だけにする

行政法と民法の配分は、一週間程度の単位で見直します。

例えば週末に、次の項目を確認します。

観測項目確認すること
行政法最低接触を維持できたか、主な失点原因は何か
民法最低接触を維持できたか、事案関係を読めているか
重点科目重点化した原因は改善したか
非重点科目再現度が落ちていないか
来週何を一つ変更するか

ここで重要なのが、変更を一度に増やさないことです。

行政法の時間を減らす。

民法を増やす。

問題集も変える。

勉強時間も増やす。

これを同時に行えば、何が結果に影響したのか分かりません。

例えば翌週は、

「民法の重点枠を週2時間増やす」

だけ変更する。

その結果を問題演習で確認します。

観測 → 一項目修正 → 再観測

の方が、配分を改善しやすくなります。

この変更を一週間の生活へどう配置するかは、行政書士試験の勉強計画|働きながら崩れないスケジュールの立て方へ戻ってください。

行政法・民法の配分チェックリスト

配分に迷ったら、次の順番で確認します。

  1. 行政法と民法の現在の失点原因を書けるか
  2. 両科目への最低接触が残っているか
  3. 今週の重点科目を一つ決めているか
  4. 重点化する理由を一文で説明できるか
  5. 重点化を解除する条件を決めているか
  6. 非重点科目の再現度が落ちていないか
  7. 周辺科目への移動が逃避になっていないか
  8. 翌週に変更する項目を一つに絞っているか

この中で答えられない項目があれば、そこが配分を見直す場所です。

行政法と民法の勉強時間配分についてよくある質問

行政法と民法は何対何で勉強すればいいですか?

一律の比率は決めません。

両科目への最低接触を残したうえで、その時点でもっとも大きな失点原因がある方へ重点枠を置きます。

学習時期や問題演習の結果によって配分は変更します。

行政法を先に完成させてから民法でもいいですか?

片方を長期間ゼロにする方法はおすすめしません。

行政法を重点化する期間でも、民法への最低接触を残します。

一度理解した内容でも、長期間触れなければ再現度が落ちることがあるためです。

民法が苦手なら民法だけ集中した方がいいですか?

一定期間重点化することはあります。

ただし、「民法が苦手」という大きな理由だけで無期限に集中しません。

事案関係、知識想起、選択肢判断など失点原因を特定し、改善が確認できたら重点化を解除します。

行政法が得意なら、民法だけ増やしてもいいですか?

民法へ重点を移すことはできます。

ただし行政法への接触を完全に切らず、以前解けていた問題を再現できるか確認する枠は残します。

まとめ|重要度を無制限配分へ変えない

行政法と民法は、行政書士試験の主戦場です。

しかし、重要であることを、片方へ無制限に時間を使う理由にはしません。

二科目の配分では、

  • 両方への最低接触を残す
  • 今週の重点科目を一つ決める
  • 重点化の理由を失点原因で説明する
  • 重点化を終える条件を決める
  • 週次で再現度を確認する

という形で管理します。

行政法が重要だから行政法ばかり。

民法が苦手だから民法だけ。

という配分ではなく、二つの主戦場を同時に維持します。

そして配分を変えるときは、感覚ではなく問題演習の結果を使います。

どちらが重要かを決めるのではなく、今どちらに追加時間が必要で、どこまで改善したら戻すのかを決める。

これが、行政法と民法を偏らせずに運用する基本です。

行政法そのものの学習方法を見直す場合は、次に行政書士試験の行政法勉強法|分野別の学習順序と過去問の使い方へ進んでください。

科目配分は、勉強時間、過去問、直前期など他の判断ともつながっています。全体のどこを優先して直すかは、行政書士試験の勉強で迷わない判断軸から確認してください。

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