行政書士試験で「全部覚えられない」と苦しくなる人へ|暗記崩壊の構造

行政書士試験で「全部覚えられない」と苦しくなる人へ|暗記崩壊の構造

行政書士試験の勉強をしていると、覚えても忘れます。

昨日覚えた条文を思い出せない。

前に解けた問題を間違える。

似た制度が混ざる。

すると、

こんなに忘れる状態で先へ進んでいいのか。

と不安になります。

ここで、

  • もっと覚えてから過去問へ進もう
  • 忘れた範囲を全部読み直そう
  • 正答率が十分上がるまで同じ範囲に残ろう
  • 一度覚えた知識を忘れない状態にしよう

と考え始めると、勉強が止まりやすくなります。

先に結論を言います。

行政書士試験では、全部覚えることを過去問開始や反復終了の条件にしないでください。

忘れる知識が残っていて構いません。

必要なのは、

問題を見たときに必要な知識を取り出し、根拠つきで判断できる状態を増やすことです。

このブログでは、記憶の完成ではなく、問題演習の中で判断を再現できるかを基準に進みます。

「全部覚えてから進む」はやめる

行政書士試験では、覚えることが多くあります。

だから、

「まずテキストを覚えて、それから問題を解こう」

と考えるのは自然です。

しかし、ここで「覚える」の終了条件を決められなくなると問題です。

  • 条文を全部覚える
  • 判例を全部説明できる
  • テキストを見なくても全部思い出せる
  • 前に覚えた内容を忘れなくなる

ここまで待っていたら、問題演習が遅れます。

しかも、問題を解いていないため、

  • 本当に覚えているのか
  • 問題文から知識を思い出せるのか
  • 似た制度と区別できるのか
  • 原則と例外を判断できるのか

も確認できません。

暗記が完成してから過去問を解くのではありません。

過去問を解くことで、何を覚え直す必要があるのかを見つけます。

過去問を使う理由そのものは、行政書士試験で過去問を繰り返す理由|正解を覚える反復との違いで整理しています。

暗記崩壊は「忘れること」から始まるのではない

このケースで問題なのは、忘れること自体ではありません。

忘れたときの判断です。

例えば、一度覚えた知識を忘れていたとします。

そこで、

忘れた=まだ次へ進めない。

と判断すると、前の範囲へ戻ります。

戻って覚え直します。

しかし、別の知識も忘れています。

また戻ります。

すると、勉強範囲を前へ進めるより、過去に覚えた知識の保守に時間を使うようになります。

忘れることではなく、「忘れている知識がある限り先へ進めない」という条件が反復を壊します。

全部覚えようとすると起きる5つのこと

1.テキストを読む時間が増える

覚えていない不安があるため、テキストを何度も読みます。

読むこと自体は必要です。

しかし、問題で使えるか確認する前に読み直し続けると、インプットだけが増えます。

2.問題演習へ進む条件が上がる

最初は、

一通り読んだら過去問を解こう。

だったはずです。

ところが途中から、

もう少し覚えてから。

に変わります。

さらに、

この章を完璧にしてから。

になります。

問題演習の開始条件が、どんどん高くなります。

3.忘れるたびに勉強をやり直す

問題を解いて知識を忘れていることに気づくと、その単元を大きく読み直します。

一問間違えただけなのに、章全体へ戻る。

関連する論点まで読み直す。

そして、また問題演習が止まります。

4.周回数が増えても終了できない

何周しても、忘れる問題は残ります。

そこで、

「まだ覚えていない問題がある」

ことを理由に、同じ問題集をすべて繰り返します。

安定して判断できる問題まで毎回解きます。

反復対象が減りません。

5.新しい問題へ進めなくなる

最後には、

今の過去問も完璧ではないのに、新しい問題をやっていいのか。

と考えます。

すると、初見問題、模試、弱点演習へ進む判断まで止まります。

暗記を完成させようとした結果、知識を使う機会そのものが減っています。

行政書士試験では「忘れないこと」を目標にしない

ここは言い切ります。

忘れない状態を作ろうとしないでください。

忘れたら、問題演習の中で見つけて戻ります。

この循環で構いません。

つまり、

テキストを読む

↓

問題を解く

↓

忘れていた知識を見つける

↓

必要な箇所だけ戻る

↓

もう一度問題で使う

という順番です。

忘れたら失敗ではありません。

忘れた知識を見つけるためにも問題を解きます。

「覚えているか」ではなく「使えるか」で確認する

暗記の確認方法も変えてください。

テキストを閉じて、すべて説明できるか確認するだけではありません。

過去問を使います。

例えば一問解いて、

  • 必要な知識を思い出せたか
  • 問題文の条件を拾えたか
  • 似た制度と区別できたか
  • なぜその選択肢が正しいか説明できたか

を確認します。

これができるなら、テキストの文章を一字一句覚えていなくても問題ありません。

試験で必要なのは、教材を再現することではなく、問題に対して判断することです。

忘れた問題だけ反復対象へ戻す

一つ忘れていたから、問題集全体を最初からやり直さないでください。

問題ごとに状態を分けます。

状態扱い
時間を空けても根拠つきで判断できる反復対象から一度外す
知識を忘れた・根拠を説明できない継続する
難論点で長時間止まる一度保留する

これで、安定した問題まで毎回やり直す必要がなくなります。

継続・保留・終了をどう判断するかは、行政書士試験の過去問は何回転?|回数ではなく終了条件で判断するへ進んでください。

一問忘れたら、その一問の原因だけ直す

過去問で間違えたとき、テキストへ戻ることは必要です。

ただし、戻る範囲を限定してください。

例えば、行政法の一問を間違えたなら、

  1. なぜ間違えたか確認する
  2. 忘れていた知識を特定する
  3. 基本テキストの該当箇所へ戻る
  4. もう一度その問題を判断する
  5. 次の問題へ進む

これでいいです。

一つ忘れていたから、その章全体を最初から読み直す必要はありません。

忘却を発見したら、修正範囲を小さくしてください。

暗記完了を待たず、早めに問題を解く

テキストを一度読んだ。

基本的な内容へ触れた。

そこまで進んだら、過去問を始めてください。

全部覚えている必要はありません。

むしろ、覚えていない状態で解くから、

  • 何を忘れているのか
  • 何を勘違いしているのか
  • 何を読めていないのか

が分かります。

暗記完成を過去問開始の条件にしてしまう具体例は、Case010|全部覚えてから進もうとして反復できないケースで確認してください。

忘れたくないからノートを増やしすぎない

暗記への不安が強くなると、記録を増やしたくなることがあります。

  • 忘れた知識を全部ノートに書く
  • 条文をまとめ直す
  • 判例を一覧にする
  • 問題集の内容を別ノートへ移す

記録自体を否定する必要はありません。

しかし、忘れないための記録が増えすぎて問題演習が減ったら逆効果です。

残すなら、

原則と例外を逆にした。

など、次回の判断に必要な短い記録で十分です。

ノート作りそのものが学習の中心になっている場合は、Case018|ノート作りが目的になって問題演習へ進めないケースへ進んでください。

「全部覚えられない」と感じたときの戻り方

覚えられない不安が強くなったら、勉強を最初からやり直さないでください。

次の順番へ戻ります。

  1. 今の範囲の過去問を解く
  2. 忘れている問題を特定する
  3. 誤答原因を一つ確認する
  4. 必要な教材箇所だけ戻る
  5. もう一度問題で判断する
  6. 再現できた問題は反復対象から外す

この順番です。

「全部覚える」へ戻らず、「今使えなかった知識を一つ修正する」へ戻してください。

暗記についてよくある質問

テキストを覚えてから過去問を解くべきですか?

全部覚えてから進む必要はありません。

基本事項へ一度触れたら問題を解き、使えなかった知識へ戻ってください。

一度覚えた知識を忘れてしまいます

忘れた問題を反復対象へ戻してください。

問題集全体を最初からやり直す必要はありません。

何周しても忘れる問題はどうすればいいですか?

まず、単純な記憶不足なのか、条件の読み違いなのか、似た制度との混同なのかを確認してください。

それでも難論点へ長時間固執する状態なら、一度保留します。

全部覚えていない状態で次の範囲へ進んでいいですか?

進んでください。

安定して判断できる問題は外し、忘れた問題だけ後から反復します。

過去問をいつ終えればいいですか?

記憶が完成したときではありません。

正解でき、根拠を説明でき、時間を空けても判断を再現できる問題は一度終了します。

詳しい基準は、過去問の継続・保留・終了条件で確認してください。

まとめ|全部覚えるのではなく、忘れたら戻れる状態を作る

行政書士試験では、覚えても忘れます。

そこで、忘れること自体をなくそうとしないでください。

問題になるのは、

忘れる

↓

不安になる

↓

全部覚え直す

↓

問題演習が止まる

という流れです。

ここから抜ける方法は決まっています。

  1. 基本事項へ触れたら過去問を解く
  2. 忘れた知識を問題の中で見つける
  3. 必要な教材箇所だけ戻る
  4. もう一度問題で判断する
  5. 再現できる問題は終了する
  6. 再現できない問題だけ継続する

全部覚えてから進む必要はありません。

忘れても、問題演習の中で見つけて戻れる状態を作ればいい。

これを前提に反復してください。

次は、過去問を継続・保留・終了へ分ける基準へ戻り、反復対象を絞ってください。

問題演習が止まる原因は、暗記や理解だけとは限りません。教材、時間、優先順位を含めて現在の判断を見直す場合は、行政書士試験の勉強で迷わない判断軸へ戻ってください。

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